無線LAN環境8割超 相模原市教委、全小中学生調査 コロナ備えオンライン学習推進

パソコンを使って行われている相模原市立小学校でのプログラミング授業

 相模原市立小中学校に通う全児童生徒のうち8割超の家庭で、無線LAN「Wi─Fi(ワイファイ)」を通じてインターネットを利用できる環境が整っていることが、市教育委員会の調査で判明した。一方で、携帯電話を含めネットの利用環境がないとの回答も1%(399世帯)あり、市教委は新型コロナウイルス感染症に備えるためにも、機器を貸与することでオンライン学習の推進に取り組む。

 市教委によると、ネットの利用環境を①無線LAN②保護者の携帯電話③児童生徒の携帯電話④いずれもなし-の選択肢を示して複数回答で尋ねた。①は87.9%、②は66.5%、③は37.8%、④は1.0%だった。

 児童、生徒が学習のために占有できる端末の有無を聞いたところ、スマートフォンという回答が49.2%で最も多かった。次いでデスクトップ型とノート型を含むコンピューターで43.5%、タブレット端末の38.3%と続いた。占有できる端末がないとの回答は17.6%だった。

 市は、次年度に学習内容を繰り越すことができない小学6年、中学3年の児童生徒で通信環境のない家庭を対象に、インターネット接続のためのモバイルルーターと学習に活用できるタブレット端末を貸与する準備を進めている。

 市教育センターの担当者は「今回の調査結果を基礎資料とし、オンラインによる学習環境の整備を進めていきたい」と話している。

 調査は市立小中学校、小中一貫の義務教育学校の計106校に通う児童生徒5万1476人を対象に6月に実施。回答率は86.4%だった。

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