最低賃金3円増、793円答申 引き上げ額10年間で最低

 長崎地方最低賃金審議会は7日、2020年度の本県最低賃金額について、現行から3円アップの時給793円とするよう長崎労働局の瀧ケ平仁局長に答申した。新型コロナウイルスの感染拡大による経済悪化を受け、引き上げ額は過去10年間で最低だった。
 中央最低賃金審議会は新型コロナの影響を踏まえ「目安額」を示さず、各地方の審議会の判断に委ねていた。
 長崎地方審で使用者側は、コロナ禍で経済状況が厳しく、中小零細企業への影響が深刻だとして上げ幅ゼロを主張。労働者側は、生活費に見合った賃金の確保や地域間格差の解消などを挙げ、賃上げを求めた。最終的には、他県の状況やコロナ禍の影響などを総合的に勘案し、賛成多数で決まった。24日まで異議申し立てを受け付け、最短で10月3日から発効される予定。
 本県の最低賃金は16年度以降、20円以上の上げ幅で推移し、19年度は28円増だった。現行の790円は福岡県を除く九州各県などと並んで全国最低。労働局によると佐賀、大分両県は今回、2円増で答申しているという。

 


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