いつもと違う盆休み コロナ禍 目立つ空席 長崎県内 帰省シーズン始まる 

博多発の特急が到着し、マスク姿で降りてくる帰省客ら=8日午前11時59分、長崎市尾上町、JR長崎駅

 新型コロナウイルスが全国で猛威を振るう中、長崎県内で8日、帰省シーズンが始まった。例年なら予約客で埋まる列車や船には空席が目立ち、駅や港のターミナルは閑散。マスク姿で再会を喜び合った家族も「感染させないように」(帰省者)「今年は家で静かに」(その家族)と、いつもと違うお盆を迎える。

 JR九州によると、8日が下りのピークとみられる。例年最大120~130%の乗車率になるが、この日の特急かもめ(博多-長崎)と特急ハウステンボス(博多-ハウステンボス)の自由席の乗車率は最大60%(午後4時半現在)。指定席の予約も例年の半分以下になっている。
 高速バス会社や船会社は定員を2~3割減らすなどの対応を取っている。それでも「空席が目立つ」(九州急行バス)、「予約で満席の便はない」(九州商船)と予約状況は低調。
 五島市福江港に到着した福岡県のパート従業員、河村舞子さん(43)は入院中の母に代わり、実家の片付けや墓掃除をするため帰省した。「普段は夫や子どもと一緒に来るけれど、今年はコロナが心配なので私一人」と話した。長崎市から帰省する息子を待っていた女性(61)は「他に茨城と福岡からも子どもが帰ってくる予定だったけど、コロナのせいで、直前でキャンセルになった」と残念がった。
 JR長崎駅では、三重県から長崎市に帰省した会社員、内田翼さん(20)が「親と話し合い、帰省するか迷った。久しぶりの手作りのごはんが楽しみ」と家族だんらんのひとときを待ち望んでいた。


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