「泣きそうなぐらいうれしい」。相原のエース近藤は試合後も興奮が収まらない様子だ。夏の公式戦勝利は12年ぶり。11安打8得点の打棒で歴史を塗り替えた。
打順を問わず好球必打が光った。1点リードの五回2死一、三塁、「しっかりスイングして決めようと思った」という新鞍の右前打に敵失が絡んで2点を追加。近藤も八回に2点二塁打で続き、試合を決めた。
環境の変化が追い風となった。リニア中央新幹線の新駅建設のため昨春に校舎が移転。グラウンドは両翼110メートルに広がったことでフリー打撃の量が増えた。近藤も「他クラブに迷惑かけず、長打を狙えるようになった」と成果を実感する。
選手10人中9人が造園などを学ぶ環境緑地科に在籍。庭づくりや芝刈りの実習が長時間に及ぶこともあり、「足がぱんぱんになるぐらいきつかった」(新鞍)。期せずして鍛えられた足腰も2桁安打につながった。
雌伏の時が長かった分だけ、欲も出てきた。「これからも自分たちのペースで打ち勝ちたい」と近藤。まだまだ喜びに浸り続ける。