FIA-F2第5戦イギリス レース1:フェラーリ育成のアイロットが2勝目。角田裕毅が6位入賞

 8月8日(土)、2020年FIA-F2第5戦イギリスが先週に引き続きシルバーストン・サーキットで開催され、フィーチャーレース(決勝レース1)が開催され、カラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)が優勝。日本の角田裕毅(カーリン)が6位、松下信治(MPモータースポーツ)は11位、佐藤万璃音(トライデント)は17位だった。

 欧州を襲う熱波の影響で気温は先週よりもやや高め。気温26.0度、路面温度41.1度のドライコンディション。規定周回数は29周、タイヤ交換を行う1回のピットインが義務付けられている。

 ポールスタートはカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)、2番手にクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)、セカンドロウは3番手にジャック・エイトケン(カンポス・レーシング)、4番手にダニエル・ティクトゥム(ダムス)がつける。

 日本勢は角田が10番手、佐藤が14番手、松下は16番手からのスタート。

 またスタートはチームによって選択するタイヤがソフトタイヤかハードタイヤかで別れることとなった。

 日本時間の23時45分にシグナルはブラックアウト。ホールショットはアイロットが奪い、後方ではティクトゥムが2台を抜いて2番手に浮上。また角田は2つ順位を落とし、ペドロ・ピケ(チャロウズ・レーシング・システム)はスタートできずにマシンがピットへ戻された。

 DRSが使用可能となった3周目、高速S字をすぎたあたりで2番手ティクトゥムがコースオフ。これを見逃さなかったルンガーとエイトケンが抜きさり、それぞれ順位を一つ上げる。

 タイヤを汚してしまいペースに苦しむティクトゥムを5周目に、後方から追い上げてきた8番手スタートのミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)が交わして4番手に浮上した。

 7周目、ソフトタイヤスタート勢が続々とタイヤ交換のピットイン。ルンガー、エイトケン、ティクトゥムらがハードタイヤに履き替え、翌周には首位アイロットもタイヤを換え暫定12番手でコース復帰している。

 この時点で見た目上のトップはハードタイヤスタートのシューマッハー、以下ニキータ・マゼピン(ハイテックGP)、ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)、ルイ・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)と続く。

 シューマッハーは前戦イギリスのスプリントレースでレース中にペースを上げすぎ、終盤タイヤが持たずポイントを取りこぼしており、今回は我慢の走りで中盤を粘る作戦でレースを進めることになった。

 そんなシューマッハーが終盤に捉えたい、ピットイン前にトップを走っていたアイロットは安定したペースで1台ずつライバルを交わしていく。

 15周目にアイロットは7番手まで順位を回復し、首位シューマッハーとの差は16.171秒となり、終盤には労をせずトップに返り咲く差までタイムを縮めてきた。

 ハードタイヤ勢がピットインを開始したのは19周目。トップのシューマッハーがソフトタイヤに交換。暫定12番手でコース復帰、この時点で暫定6番手のアイロットとの差は約20秒となった。

 22周目にはシュワルツマンと周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)、翌周には暫定首位のマゼピンもピットイン。ソフトタイヤは7周、ハードタイヤは22周が限界のようで、レース終盤でのレースペースはタイヤマネジメントの上手いドライバーがイニシアチブを握る展開となっていく。

 これで順位が整理され、トップはアイロット、以下ルンガー、エイトケン、デレトラズ、角田、シューマッハー、マゼピンとなった。

 この上位勢に順位変動が起きたのは25周目、フレッシュなタイヤを履くマゼピンがシューマッハーを攻略し6番手へ浮上する。

 残り3周となった27周目にはマゼピンが角田を捉えて5番手に浮上。一方で終始淡々と走行する首位アイロットはコツコツと2番手ルンガーとのマージンを築き、残り3周の時点で10秒以上の差を保つ。

 このままチェッカーを受け、アイロットはシーズン2勝目。2位にルンガー、3位にエイトケンが入った。

 日本勢は、角田が6位、松下は11位、佐藤は17位でフィニッシュしている。

 ポイントランキングは優勝したアイロットが首位で102ポイント、2番手には87ポイントでルノー育成のルンガー、3番手には85ポイントでシュワルツマン、4番手には70ポイントのマゼピンがつけている。

 スプリントレース(決勝レース2)は日本時間8月9日(日)18:10から行われる。

■FIA-F2第5戦イギリス フィーチャーレース(レース1) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 4 C.アイロット ユニ・ヴィルトゥオーシ 29Laps

2 6 C.ルンガー ARTグランプリ 8.574

3 9 J.エイトケン カンポス・レーシング 12.303

4 24 N.マゼピン ハイテックGP 15.020

5 11 L.デレトラズ チャロウズ・レーシング・システム 16.644

6 7 角田裕毅 カーリン 17.010

7 20 M.シューマッハー プレマ・レーシング 19.232

8 21 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 20.033

9 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 20.428

10 15 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 24.127

11 14 松下信治 MPモータースポーツ 26.418

12 8 J.ダルバラ カーリン 28.109

13 25 L.ギオット ハイテックGP 36.114

14 5 M.アームストロング ARTグランプリ 41.725

15 2 D.ティクトゥム ダムス 43.109

16 17 G.アレジ BWT HWAレースラボ 43.252

17 23 佐藤万璃音 トライデント 50.048

18 22 R.ニッサニー トライデント 51.428

19 16 A.マルケロフ BWT HWAレースラボ 1’14.193

20 10 G.サマイア カンポス・レーシング 1’15.090

21 12 P.ピケ チャロウズ・レーシング・システム 1Lap

— 1 S.ゲラエル ダムス DNF

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