「間に入って話聞きます」 ATMの高齢女性に声掛けて携帯電話代わり 詐欺防いだ会社員に感謝状

振り込め詐欺を未然に防いだとして感謝状を贈られた会社員(右)=平塚署

 偶然居合わせた金融機関で高齢女性に声を掛け特殊詐欺の被害を防いだとして、平塚署は7月30日、平塚市在住の会社員(30)に感謝状を贈った。

 署などによると、7月1日午後4時ごろ、会社員は、市内の銀行の現金自動預払機(ATM)で携帯電話で話しながら操作している80代女性に気付いた。女性の様子から「詐欺では」と疑ったという。女性に「自分が間に入って話を聞きますよ」と声を掛けて電話を代わり、通話を続けながら女性を近くの交番まで誘導した。その後の調べで、女性の自宅にかかってきた電話で銀行員を名乗る男から「口座にお金が入る」などとだまされていたことが判明した。

 会社員は「声を掛けて不審に思われるのではと、ためらいもあった。でも、家族が同じ被害に遭ったらと考えたら放ってはおけない」と振り返った。同署の春田政之署長は「勇気を持って被害を防いでくれた」と感謝した。

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