【レースフォーカス】ランキングトップのクアルタラロ、ラップタイム差に疑問/MotoGP第4戦

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 MotoGP第4戦チェコGPでは、ヤマハ陣営のふたりが苦しいレースを強いられた。2連勝中だったファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)と、2戦連続2位表彰台だったマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)だ。また、前戦アンダルシアGPで自己ベストリザルトの4位フィニッシュを果たした中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、ある問題を抱えていた。

■ヤマハ内で分かれたレース

 今季、ヤマハをけん引していたクアルタラロとビニャーレス。ともに第2戦スペインGPから優勝、表彰台を獲得してきたが、チェコGPでは表彰台を逃す結果となった。2番グリッドからスタートしたクアルタラロは序盤こそ上位につけていたものの、その後、ペースを維持できずポジションを落としていった。

「フリー走行の1回目から3回目まで、僕のペースはとても悪かった。けれどフリー走行4回目で改善して、優勝争い、表彰台争いができるとうれしかったんだ。それなのに、レースでは最初からリヤタイヤがよくなくて、レース中、タイヤをマネジメントするのがすごく難しかった」

 クアルタラロはリヤにミディアムタイヤを履いていた。しかし、リヤにソフトタイヤを履いたフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)よりも、ペースが落ちるのは早かった。また、終盤のラップタイムは、優勝したブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)よりも約1秒もの開きがあったのだ。

「これは普通じゃない。マーベリック(・ビニャーレス)やドビ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)、ジャック(・ミラー)も同じような問題があったみたいだ」

 クアルタラロ曰く自身とモルビデリのライディングスタイルは似ているが、「フランコは僕よりもタイヤを消耗する」という。不思議なことに、「それでも僕のタイヤのグリップ低下は彼よりもはるかに大きかった」。

「正直なところ、ブラッドやフランコがどうやってマネジメントしていたのかわからないよ。ポジションを維持するのはとても難しくて、(アレックス・)リンスやバレ(バレンティーノ・ロッシ)、(ミゲール・)オリベイラに交わされたとき、何もできなかった」

 そして、ビニャーレスは自己ワーストリザルトタイの14位フィニッシュでチェコGPを終えていた。5番グリッドからスタートすると、オープニングラップで8番手にまでポジションダウン。1周目からまったくペースが上がらない状況だった。

 苦戦のクアルタラロとビニャーレスとは対照的だったのは、モルビデリとバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)である。モルビデリは表彰台を獲得。そしてバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、終盤には3位のヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)に迫るレース展開を見せた。後方から追い上げのレースだったにもかかわらず、ロッシの終盤のラップタイムはビンダーとそう変わるものではなかった。

 今季、躍進を見せていたふたりの低迷とともに、ヤマハで二分したチェコGPの結果。「データを分析しないと」と語ったクアルタラロ、解明をオーストリアGPに結び付けたい。

■チェコGPで中上を襲ったもの

 アンダルシアGPで、自己ベストリザルトの4位を獲得した中上。このチェコGPでは木曜日に行われるプレイベントのプレスカンファレンスに登壇し、注目度の高さをうかがわせていた。

 初日の金曜日はフリー走行1回目でトップタイム。ただ、初日はブルノ・サーキットのバンプにはかなり苦しんだという。ちなみにこのバンプ、路面状況は昨年よりも悪くなっていたそうで、チェコGPでは週末を通してライダーたちを悩ませていた。

 予選でトラックリミットをオーバーしてアタックタイムが記録されなかったため、17番グリッドからスタートした決勝レース。中上は次第にポジションを上げて、8位でフィニッシュを果たした。

 しかしこのレース中、中上はあるものに悩まされていたというのだ。それは、右足の水ぶくれだった。前戦アンダルシアGPでの暑さは、チェコGPの決勝レースで集中がそれるほどの痛みをともなうそれをもたらしていた。

「数周なら問題ないのですが、21周ともなると、スポンジなどの対策を講じていてもあまり役に立ちませんでした。特にこのサーキットは、コーナーが多く、リヤブレーキを多く使います。日に日に悪くなっていってしまったんです。今最大の問題は、この足ですね」

 しかし、そうした状態で9つのポジションを上げのレースは、中上がアンダルシアGPで見せた活躍を裏付けたと言えるだろう。アンダルシアGPから取り組んでいる、マルク・スタイルのライディングにも引き続き挑戦している。

 右足の懸念というフィジカルコンディションにとって3連戦は厳しいかもしれないが、一方で連戦はライディングスタイルの熟成を生む可能性もある。中上の躍進にますますの期待がかかる。