8月12日17時現在、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)は、全国で409件(倒産345件、弁護士一任・準備中64件)に達した。コロナ関連破たんは2月25日に第1号が発生。以降、4月27日に100件目、6月3日に200件目、7月1日に300件目が発生した。8月に入って6日に400件に達し、12日は4件発生。8月も4月や5月並みの高水準が続いている。
なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産が12件判明している。
全国的な感染者数の高止まりが続き、企業業績への影響も流動的となっている。特に飲食業などサービス業への影響が深刻な状況だ。政府や取引金融機関などの各種支援に依存しながら経営を維持している企業は多く、時短営業や来店客数の減少などが長引けば コロナ関連破たんに拍車をかける懸念が強まっている。
【都道府県別】 ~ 東京都が106件で突出 、和歌山県で初のコロナ関連破たんが発生 ~
都道府県別では高知県の1県を除く46都道府県で発生している。
このうち、東京都が106件(倒産90件、準備中16件)に達し、全体の4分の1(構成比25.9%)を占めている。大阪府40件(倒産33件、準備中7件)、北海道22件(倒産21件、準備中1件)、愛知県20件(倒産18件、準備中2件)と続き、10件以上の発生は10都道府県となっている。
和歌山県では初めてのコロナ関連破たんが発生した。調味料メーカーのダイナミック食品(株)(和歌山市)が事業を停止。近年は業績不振が続いていたが、新型コロナの影響が追い打ちをかけ事業継続が困難となった。
【業種別】 ~ 飲食業が62件で最多、アパレル関連50件、宿泊業40件で続く ~
業種別は、来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が62件で最多。次いで百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が50件、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が40件と、3業種が突出している。
【負債額】
「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した345件のうち負債が判明した344件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で139件(構成比40.4%)。次いで、1千万円以上5千万円未満84件(同24.4%)、5千万円以上1億円未満が50件(同14.5%)、10億円以上が42件(同12.2%)、5億円以上10億円未満が29件(同8.4%)の順。
負債1億円未満が134件(同38.9%)を占める。一方で、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで「新型コロナ」関連の経営破たんが広がっている。
【形態別】
「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した345件の形態別では、破産が299件(構成比86.6%)で最多。次いで、民事再生法が30件(同8.6%)、取引停止処分16件(同4.6%)だった。
「新型コロナ」関連倒産の8割以上を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。
業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージを受け、回復の見込みが立たずに脱落し、再建型の選択が難しい状況が続いている。
※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。
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