ジャパン、鉄仮面、セブンス、不遇な時代を生き抜いたスカイライン【MOTA写真館】

7代目 R31型 スカイライン/6代目 R30型 スカイライン/5代目 C210型 スカイライン

「日本の風土が生んだ名車=SKYLINE JAPAN」不毛な時代を生き抜いた日産 5代目スカイライン

歌謡曲に乗せて日本のワインディングロードを颯爽と駆け抜けるスカイライン。日産自らが「日本の風土が生んだ名車」と名乗り、若かりし頃のデートを思い出させてくれるCMが特徴。CM最後の「SKYLINE JAPAN」表記から「ジャパン」の愛称で親しまれている。

初期のモデルは、昭和53年の排気ガス規制により、高出力のエンジンを搭載できなかった5代目スカイライン。1979年、トヨタ セリカから「名ばかりのGT達は、道を開ける。」のキャッチコピーで挑発を受ける。1980年ターボエンジン搭載モデルを追加、145馬力を発生させるエンジンを搭載し、トヨタからの挑発に対抗した。

スペック

■全長×全幅×全高:4,600×1,625×1,390mm(スカイライン 2000GT-E・L)

■エンジン

・水冷直列6気筒2000cc

・水冷直列4気筒1800cc

■ボディ

・2ドアハードトップ

・4ドアセダン

・3ドア/5ドアワゴンおよびバン

■駆動方式:FR

■トランスミッション:3速AT/4速MT/5速MT

「New愛のスカイライン/史上最強のスカイライン」高性能を追求した日産 6代目スカイライン

1981年、R30型 日産 スカイライン発売。キャッチコピーは「New愛のスカイライン」。デビュー同年、ファン待望のDOHCエンジンが復活した。「4バルブなくしてDOHCは語れない」のキャッチコピーとともに、150馬力を発生させる直列4気筒4バルブDOHC FJ20E型エンジン搭載の「2000RS」を追加。

1984年「クールに乗れ」のキャッチコピーで、インタークーラー搭載モデル「2000ターボインタークーラーRS/RS-X」を追加し、最高出力は205psとなり、国産車で初めて“リッター100馬力”も壁を突破。通称「ターボC」と呼ばれ、現在でも多くの根強いファンが存在している。

スペック

■全長×全幅×全高:4,595×1,665×1,360mm

■エンジン

・FJ20E 直列4気筒 2000cc DOHC(2000RS)

・FJ20ET 直列4気筒 2000cc DOHCターボ(2000ターボRS)

■トランスミッション:3速AT/4速AT/5速MT/4速MT

日産“7th”スカイライン(R31)はハイソカー? それともスポーツカー!?

通算7代目 R31 日産 スカイラインは、1985年に登場し1990年まで販売された。バリエーションは、4ドアセダンおよびハードトップ、2ドアクーペ、ワゴンをラインナップ。通称は、7th(セブンス)、都市工学スカイライン。ハイソカーブームの影響もあり、5連装カセットチャージャー、カードエントリーシステムなど豪華な装備が与えられているのも特徴だ。

ハイソカー時代に誕生した7代目 R31 スカイラインは、生産終了までスポーツグレード「GT-R」を名乗らなかったことでも知られている。その理由は諸説あるが、「GT-Rを名乗るにふさわしくない」という理由や「ハイソカーブームに乗ったコンセプトがらしくない」といったことが理由だったといわれている。

スペック

■全長×全幅×全高=4,650mm×1,690mm×1,385mm

■エンジンラインナップ

・直列6気筒 DOHC 2000cc ターボ RB20DET

・直列6気筒 DOHC 2000cc RB20DE

・直列6気筒 SOHC 2000cc ターボ RB20ET

・直列6気筒 SOHC 2000cc RB20E

・直列6気筒 SOHC ディーゼル RD28

・直列4気筒 SOHC 1800cc CA18S

■トランスミッション:5速MT/4速AT

■駆動方式:FR

「技術の日産」はいつまでも

これら3世代のスカイラインを見ていくと、「GT-R」の設定していないことがわかる。今考えると「GT-R」を名乗ってもおかしくないほどのポテンシャルを秘めているが、日産が思い描くスポーツマシンでないことからGT-Rと名乗らなかったのかもしれない。

しかし、GT-Rが設定されていないジャパン、R30、R31のスカイラインは、中古車市場で予想外の価格で取引される個体もある。「技術の日産」を直に感じられるスカイラインは、時間が経過しても評価され続けているといえるだろう。

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