眠る瑞風、要部検査の様子を公開

2020年8月18日(火)、後藤総合車両所にて「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(以下、瑞風)の要部検査報道公開が行われました。

瑞風は大阪~札幌間を運行していた初代トワイライトエクスプレスからその名を継ぎ、2017年6月から運行を開始した周遊型の豪華寝台列車。「美しい日本をホテルが走る」をコンセプトとし、その緑色の車体をJR西日本の誇る沿線風景に馴染ませながら運行を続けてきました。

要部検査は車両の使用状況(48ヶ月または50万km)に応じて行われるもの。瑞風の場合は2016年の落成から今年で4年目ということで、本年7月初めて検査に入りました。後藤総合車両所では瑞風の要部検査を行うのは初めての取り組みであったため、車両所内にプロジェクトチームを設置し、およそ3年間にわたり準備を行ってきたといいます。

報道公開では車両品質の維持・向上のための取り組みや、塗装作業の様子が公開されました。

7号車の車体磨き作業。クリア塗装後にどうしても凹凸が出てしまいますので、表面を軽く研磨する必要があります。ここはどうしても人手が必要なので手作業。

塗装ブースの中に瑞風の車体が収まっている
有機溶剤を吹き付ける塗装ロボット
ブースの中はこのように

5号車のクリア塗装の様子。塗装ブース内でロボットが有機溶剤を吹き付けています。細かな埃が付着してしまうのでブース内は密閉状態。ちなみに塗装ブースは瑞風の検査に入る一年ほど前に導入されており、瑞風以外の車両にも使われているそうです。

門型クレーンで車体を吊り上げる
台車に車体を乗せる瞬間はやはり神経を使うのだとか

9号車を仮の台車から本台車に移すところ。9号車は車体だけなら33トンと軽いため門型クレーンを使用していますが、重い車体になるとリフティングジャッキを使って車体を浮かせる必要があるそうです。

瑞風は9月半ばごろから構内試運転を行い、網干総合車両所宮原支所へ回送されていきます。新型コロナウイルスの影響もあり今後の運行プランはまだ完全に決まっているわけではありませんが、第13期の申し込みについてはいずれ公式HP上で告知が行われるようです。

文/写真:一橋正浩

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