オンラインで面会 川内村の児童を長崎市長が激励

田上市長とオンラインで面会した川内村の児童=長崎市役所

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で一時全村民が避難した福島県川内村の6年生5人が18日、ビデオ会議システムを使って田上富久長崎市長と面会した。児童は、自分たちで作詩した連詩を読み上げ、共に過ごす友人への感謝を語った。
 震災後、川内村と長崎は交流を続けており、長崎大は2013年、復興を支援しようと、村内に復興推進拠点を設置。子どもの心や知識を育む「復興子ども教室」を始めた。例年、同大教育学部の学生が川内村へ赴き、児童に長崎の復興の過程などを教えている。昨年、児童らは長崎市や島原市などを訪問。原爆の被害や雲仙・普賢岳噴火災害からの復興の歴史を学んだ。
 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、川内村と長崎大は6月からオンラインで交流。児童たちも来崎が難しいため、田上市長とビデオ会議システムでの面会となった。
 児童は田上市長に「ともだち」と題した自作の連詩を披露。原発事故で友人と離れ離れになった経験から、友人と過ごした日々の思い出や、協力することの大切さを伝えた。田上市長は「来年は長崎を訪れ、原爆から復興した様子を見てほしい。皆さんが力を合わせて、福島の力になってほしい」と激励した。
 市長とのやりとりを終えた児童は「震災前のような、たくさんの人でにぎわう元気な村にしていきたい」と話し、「長崎に来て、原爆について調べてみたい」と語った。
 今年の交流は12月末まで続き、児童は川内村の復興をテーマに、学習の成果を発表する予定。

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