【新型コロナ】「『ものづくり』で助けたい」 学生が3Dプリンターでフェイスシールドを自作し、寄贈

自作したフェースシールドを平塚市に寄贈し、感謝状を受け取った「チームDFK」メンバー=平塚市役所

 平塚市内の中高生4人組のグループが3Dプリンターを使い、新型コロナウイルスの感染防止のためのフェースシールド223個を自作し、地元の小中学校や新型コロナ患者を受け入れている平塚市民病院などに寄贈した。18日には落合克宏市長から感謝状を贈られた。「物資が不足する現場を助けることができるのは、ものづくりの技術」。若き“エンジニアの卵”がコロナ禍の医療現場を支えている。

 フェースシールドを寄贈したのは「チームDFK」。東京工業大学付属科学技術高2年の佐藤諒弥さん(17)が、幼なじみの県立大磯高2年の堀岡陽樹さん(17)と県立湘南高2年の三田和宏さん(17)に声を掛け、佐藤さんの弟で平塚市立春日野中3年の靖悟さん(15)を加えて結成。3人は同じ幼稚園から中学校まで通い、チーム名も母校の頭文字から取った。

 きっかけは休校中の3月、フェースシールドのニュースを見た佐藤さんの祖母が製作を持ち掛けた。「自分で得意とするもので役に立ちたい」。昨年、中学生の全国大会に出場するなどものづくりに自信のあった佐藤さんが旧友らに協力を呼び掛けた。

 4月に3Dプリンターを購入すると、地元の神奈川大学の道用大介准教授がインターネット上に公開しているフェースシールドの作り方を参考に試作品に取り掛かった。カッターで切り取った透明フィルムをシールドにし、3Dプリンターで作ったプラスチックのフレームとゴムを取り付けて製作。4人で分担し、それぞれの自宅で作業した。

 知人から市民病院でフェースシールドが不足している現状を聞き、5月に試作品を持ち込んだ。看護師から使い勝手のアンケートを取り、額の部分にクッションを付けるなど改良も加えた。その後、市内の小中学校全43校にも養護教諭が使用するフェースシールドを寄贈した。

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