故人しのび精霊流し 壱岐・郷ノ浦

精霊船を持参する住民ら=壱岐市郷ノ浦町、フェリーみしま郷ノ浦発着所

 壱岐市郷ノ浦町のフェリーみしま郷ノ浦発着所で15日、先祖供養の精霊流しがあり、市民らが小型の精霊船約200個を持ち寄った。
 郷ノ浦地区精霊流し保存会(久間辰雄会長)主催で毎年、15日に実施。わらや板で作った精霊船には、故人が食料に困らないようにと食べ物が供えられた。
 以前は精霊船を海に流していたが、海洋汚染防止のため、近年は水に溶ける灯籠を替わりに流している。しかし、今年は新型コロナウイルス感染予防対策で「3密」を避けるため灯籠流しは中止となった。
 昨年12月に夫を亡くした同町の森直美さん(71)は「あっという間の初盆だった。もう一度会っておしゃべりがしたい」と故人をしのんだ。

© 株式会社長崎新聞社