【MLB】おかしいのは“不文律”の方? 大量点差&3ボールから満塁弾のタティスJr.に擁護の声続々

パドレスのフェルナンド・タティスJr.【写真:AP】

7点差での8回1死満塁、3ボールから満塁弾を放ったタティスJr.を敵将が非難

物議を醸しているパドレスのフェルナンド・タティスJr.内野手が放った1本の満塁本塁打。大量点差、3ボールからの投球を弾き返した行為が球界の“不文律”を犯したとして非難の声が上がっていたが、このタティスJr.の行為を擁護する声が上がり始めている。

17日(日本時間18日)に行われた敵地でのレンジャース戦。10-3で迎えた8回1死満塁の場面で打席に入ったタティスJr.は3ボールからの4球目、右腕ニカシオが投じた真っ直ぐを弾き返してグランドスラムを放った。

この一発に対してレンジャースのウッドワード監督が「個人的には気に入らなかった。8回に7点差でリードしている場面で打席に立ち、カウント3-0からスイングするのはタイミング的に良くない。(それが正しくないという考えのもとに)我々は野球界で育てられてきた」とコメント。大差がついた状況で3ボールから打ちに行くことは、球界の“暗黙の了解”に反すると指摘し、物議を醸すことになった。

ただ、この一件で現役選手や米メディアの中からタティスJr.を擁護する声が続出。米メディア「CBSスポーツ」はこの声をまとめて紹介している。

現役メジャーリーガーからタティスJr.を擁護する声が次々にあがる

ホワイトソックスのティム・アンダーソン内野手は自身のツイッターで「だから、試合が進化しないんだよ!! なんで監督が守ってやらないんだ。試合はまた終わってなかった。(タティスJr.に対して)次にこんなことがあっても、謝ることないよ」と擁護。レッドソックスの左腕エドゥアルド・ロドリゲス投手も「そうなって欲しくないなら、もっといい球を投げたらいいんだよ。こんなルール聞いたことがない」とツイートし、この“不文律”に疑問を呈した。

また、鬼才と称されるレッズのトレバー・バウアー投手も自身のツイッターで以下のように投稿した。

「ヘイ、タティスJr. よく聞いてくれ、
1)もし、0-3でスイングしたければ、どんな状況でもスイングし続けてくれ
2)どんな状況でも、ホームランを打ち続けろ
3)エネルギーと新鮮さを野球に持ち込んで、野球を楽しくさせてくれ
4)君がしたことで唯一の間違いは、謝罪したこと。それは止めろ」

このように記し、タティスJr.の満塁弾には一切の非がないと主張。逆に両監督に謝罪したことは間違いだったと指摘した。また、元MLB選手で「CBSスポーツ」のウィル・ミドルブルックス氏も「自分のプレーをし続けてくれ。君のような選手が野球の未来だよ。君のプレーが大好きだ」と擁護。理解し難い球界の“暗黙の了解”の数々。巻き起こる議論が球界を変えることになるかもしれない。(Full-Count編集部)

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