OKIと中央大学、AIの社会実装とAI人財の育成に向けて「AI・データサイエンス社会実装ラボ」を設立

近年、5G/IoT本格普及に向けて、AI・データサイエンスを活用したさまざまな社会課題解決への期待が高まっている。この分野における技術は急速な進歩を遂げているが、実際に課題を抱えている現場(生産工場のラインなど)への実装には至らないケースが少なくない。大学などの学術的なAI研究では先進の知見を有するものの現場の課題を直接目にする機会が少なく、一方、現場の課題を熟知する企業の技術者はAIを活用するための知識が必ずしも十分ではない。沖電気工業株式会社(以下、OKI)と中央大学は、AI・データサイエンスに関連する共同研究について包括連携する基本協定書を締結した。同協定に基づく初の活動として、中央大学が産官学連携の拠点を置く後楽園キャンパスに「AI・データサイエンス社会実装ラボ」を開設する。同ラボでは、AI・データサイエンスに関する知識と教授陣を持つ中央大学と、社会インフラにおける現場の実課題やデータを持つOKIの産学連携により、AIの社会実装を実現できる実践力を持ったAI人財の育成に取り組む。こうした取り組みにより、社会実装まで辿り着ける実践力を備えたAI人財を戦略的に育成する。初年度はスマート工場の実現のため諸課題を解決しながら、以下のプロジェクトの実施を計画している。

  • 画像解析・振動解析等を含むリアルタイムインテリジェンスに関わる諸技術の高度化
  • 工場の効率化を題材としたAIの社会実装における諸課題(汎化性能の向上、少データからの学習等)に対応するための研究開発
  • シミュレーション・最適化等、社会課題解決のために必要とされる技術の研究開発

なお、同ラボは中央大学が2020年4月に設立した「AI・データサイエンスセンター」に設置するラボの第一号となる。

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