なくならない“いじめ問題”EXITがいじめ被害と加害を両方経験の当事者と考える

ABEMAが、ニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

2020年8月20日(木)夜9時からの放送では、新型コロナウイルスの影響で夏休み期間が短縮され、各地で例年より早く新学期を迎える学校が増える中、“いじめを原因に自殺する子どもが最も増える”といわれている夏休み明けの時期に合わせ、なくならない“いじめ問題”を特集。番組には、いじめの被害者・加害者と両方の当事者であり、『こども六法』(弘文堂)の著者で教育研究者の山﨑総一郎さんをゲストとして迎え、いじめがなくならない理由や命を守るためにできることについて議論した。

長年にわたって様々な議論がされているにも関わらず、一向になくならない“いじめ問題”について、番組MCを務めるお笑いコンビ・EXITのりんたろー。は「対応とか対策も、もちろんしっかりとしていかなきゃいけないことなんですけど。もう、いじめが起きてしまったその環境においては、例えば助けてくれた友達がいたとか、学校の対策がしっかりしていたなどの“運”の話になってくる。僕も自殺してしまった友達がいますけど、“生きることを諦める”勇気を、その環境から飛び出す方に使ってほしいってすごく思う」と切なる想いを語った。

一方、相方の兼近大樹は「人間の心理上、絶対にいじめって起こるもんだと思ってる。だから、いじめが起きてしまった時にどう教育していくかがすごく大事。そもそもいじめられている側ではなく、いじめている側に原因があると思う。いじめている側が心に何かを抱えていたりとか、自分のしていることが“いじめ”だってことすらも把握してない可能性がすごくある。だから、そういう時に中学生でも理解しやすい漫画などのエンタメで正しく教育していくことが必要」と持論を展開した。

そんな中、山﨑さんは小学5年生の時にクラスメイトをかばったことがきっかけで、悪口や殴る・蹴るの暴力などのいじめ被害を受け、自殺未遂を起こしてしまうほどに追い詰められながらも、中学校では逆に“いじめ”加害者の立場になったことを明かした。「自分はいじめの被害に遭って、いじめられることの辛さをよく分かっているから、『いじめに悩んでいる子どもを救いたいし、自分は加害者に絶対にならない』と思っていた」と告白。続けて、「それなのに、“自身が加害者になってしまった”という衝撃があった」と、当時を振り返った。また、「小中高生の“いじめ”と、社会人の“パワハラ”は同じ構造?」という質問が飛ぶと、山﨑さんは「同じだと思います。自分の正義感や、秩序を守るときって何かしらの理由がきっとあるはずで、その中で自分がやっていることは正当化されていると思う。でも、実際にやってることは、相手を傷つける行為。そこの“ズレ”が、いじめ問題の難しいところで、ハラスメント問題にも通ずると思う」と回答した。

最後に、りんたろー。は「いじめ防止対策推進法などいろんな対策があるが、どれだけ浸透しているのか。結局、自分の身は自分でしか守れないと思う。今いる環境がこの先の人生を生きていく中でどれだけ大事かっていうと、学校の小さな世界の中で過ごす数年間は、俺はそんなに大事じゃないと思う。それを全部投げ出してでも、自分で危機を回避して自分の命を守ることを考えてほしいです」とメッセージを送った。そして、兼近は「特に大人の間で、“許さない”っていう暴力が横行してる世の中だと思う。その姿を見ている子供が、『親がこうしてるから』って、“正義の定義”をすごく狭めてる気がする。だから、“許容する力”を一人一人が身につけていくことが重要」と訴えた。本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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