武家の町に映えるサルスベリ 国見・神代小路

町並みに映えるサルスベリの花=雲仙市

 国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選定されている長崎県雲仙市国見町の神代小路(こうじろくうじ)地区で、帆足治行さん(87)方の庭から本通りに伸び出たサルスベリ(高さ約3メートル)が紅色の花を咲かせ始め、武家屋敷が残る町並みに彩りを添えている。9月上旬まで楽しめるという。
 サルスベリはミソハギ科の落葉小高木で、花が房状に咲くのが特徴。成長に伴い樹皮がはがれ、サルでも登れそうにないほどすべすべになることが名の由来とされる。
 国の重要文化財「鍋島邸」に近い帆足さん方のサルスベリは、伝建の保存指定樹木の一つ。伐採できないため庭の外まで枝が伸び、枝先に群生する色鮮やかな花を本通りから間近に見ることができる。樹齢は100年以上という。
 帆足さんは「花が伝統的な町並みに映え、毎年観光客に喜んでもらっている。今はコロナ禍なので、地域の人たちが眺めて和んでもらえればうれしい」と話している。

 


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