児相引き継ぎマニュアル 父殺害巡り相模原市が独自基準

相模原市役所

 相模原市は24日、児童相談所が支援した児童が転居した際、転居先の児相に情報を引き継ぐためのマニュアルを策定したと発表した。今年5月に父親を殺害した容疑で横浜市内に住む少年(16)が逮捕された事件で、3月上旬まで父子が暮らしていた相模原市の児相が父親による虐待の疑いを把握しながら、転居先の横浜市の児相に伝えていなかった。こうした支援の切れ目が生じないよう、市の独自基準を定めた。

 国の通知では転居確認後に速やかに転居先の児相に連絡するよう求めているが、市のマニュアルでは予定を把握した時点で、情報を伝えることにした。

 保護者に電話で連絡ができなかった場合も転居先の児相に連絡した上で、時間帯や曜日を変えてできる限り連絡を試み、20日以内に引き継ぎ協議を行う。

 転居予定を把握した時点から移管引き継ぎ完了まで、19項目のチェックリストを作成して、手順を明文化。県内や近隣の児相に示して理解を求める。

 市によると、市児相は昨年11月と今年2月、父親による虐待の疑いがあるとして少年を一時保護。3月上旬に父子が横浜市内に転居したことを把握し、父親に面会した上で情報を横浜市に引き継ぐつもりだったが、父親に電話で連絡がつかなかったことから、事件発覚まで情報を伝えていなかった。

 相模原市児相総務課の担当者は「再発防止を図ることで、子どもの安全や命を守っていきたい」と話している。

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