コロナへの過剰対応を危惧 全国旅行業協会理事 長崎で講演

「安全・安心が旅行を選択する基準になってきた」と話す三浦氏=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 全国旅行業協会の理事で弁護士でもある三浦雅生氏が22日、「Withコロナ時代における観光業界のあり方について」と題して長崎市内のホテルで講演した。三浦氏は旅行客が観光業者に過剰な対応を求め、業者もそれに応じる可能性を危惧し、「各業界の感染予防のガイドラインをしっかり押さえてほしい」と呼び掛けた。
 三浦氏によると、これまで当たり前だった「安全・安心」は、新型コロナ禍では旅行を選択する最優先の基準になってきた。コロナに感染せず楽しめるかどうかが、ほかのサービスの質以上に重要になったという。
 コロナは感染や予防のメカニズムがまだ明確でないことなどから安全・安心の基準があいまいになる。客が悪質なクレームを付けたり、業者が必要以上に客に忖度(そんたく)したりする可能性を懸念し、「安心のための対策にはきりがない」と指摘。「各業界のガイドラインを守っていれば、感染者が出ても業者が責任を負うことはない。客にも周知徹底するべき」と話した。
 県の委託事業「観光地受入態勢ステップアップ事業」の一環で県旅行業協会が主催。県内の旅行業関係者約80人が耳を傾けた。

 


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