卓袱料理や長崎の歴史学ぶ 料亭花月でサマースクール

太鼓やかねを手に「長崎ぶらぶら節」の演奏に挑戦する参加者ら=長崎市、史跡料亭花月

 長崎市丸山町の「史跡料亭花月」は23日、小学生が卓袱(しっぽく)料理や長崎の歴史などを学ぶ“サマースクール”を初めて開いた。参加した親子3組7人は、仲居から指導を受けながら、太鼓やかねなどのお座敷道具を手に「長崎ぶらぶら節」の演奏などに挑戦した。
 新型コロナウイルス感染拡大を受け、夏休みに外出が難しくなった子どもたちのために「何かできないか」と、女将(おかみ)の中村由紀子さん(62)が発案。1642年の創業以来、初めての取り組み。
 参加者は演奏のほか、坂本龍馬が柱につけた刀傷がある「竜の間」を見学。傷跡を触りながら、花月と幕末の志士の関わりを学んだ。角煮とハトシの試食もあり、長崎伝統の卓袱料理を味わった。
 母親と参加した市立古賀小4年の山下心音さん(9)は「龍馬の刀傷が残っていて、すごいと思った。ハトシも色あいがきれいで、おもてなしを感じた」と笑顔で話した。中村さんは「料亭文化の衰退も進んでいる。子どもたちに、花月の存在や長崎の歴史を知ってもらいたい」と語った。
 今後は中高生に対象を広げて開催を検討している。

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