意見アンケート、半数が同一ファクスから 平塚海岸の公園整備巡り

平塚市の公園整備計画を巡り、寄せられた市民アンケート。1台のファクスからまとめて送信され、いずれも「平塚市城所」の住所が似た筆跡で書かれていた(環境保全を考える議員有志の会提供)

 平塚海岸の公園整備計画を巡り、平塚市が市民から募った意見アンケートのうち、約半数の回答が複数回に分け同一のファクスから送信されていたことが26日、分かった。整備反対派の市議らによる情報公開請求で判明した。市はこれまで「8割が新しい公園に行きたいと回答している」と市議会で答弁していたが、一括送信されたアンケートはほぼ賛成意見で占められており、市議らは「組織的なやらせ投稿ではないか」と疑問視している。

 アンケートは今年3月から5月にかけてインターネットとファクスで募り、437人が回答。そのうち228件が21回に分かれて、同じファクスから一括送信されていた。

 情報公開された回答用紙では送信元の番号は黒塗りされていたが、ページの通し番号が記されていた。50人の回答が1回で送られていたケースもあり、一部には同じ筆跡とみられる回答もまとめて送られていた。

 市議らによると、アンケートは「公園ができたら行きたいか」との質問に「とても行きたい」「行きたい」「普通」の回答が84%だったが、ネットからの回答に限ると64%にとどまる。一括送信の回答では「行きたくない」は1件だけで、自由記述欄も大半の回答者が空欄だったという。

 落合克宏市長は同日の会見で「意図的に行われたものではない。結果は素直に信用する」と説明。アンケートの取りまとめ依頼など自らの関与も否定した。公園整備を巡っては計画反対の署名が8千筆に及ぶが、落合市長は「市民全体からはおおむね肯定的に捉えられている。反対の声は多くはない」との考えを示した。

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