平戸市の感染者 「偽陽性」の可能性

 長崎県は26日、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性が判明した平戸市の感染者について、同一の検体を使った再検査で陰性が複数回確認されたとして「(感染していないのに陽性となる)偽陽性の可能性がある」と明らかにした。県内ではこれまでにも同様のケースが別に1件あるという。
 この感染者は5日に発熱し、7日に県の機関によるPCR検査で陽性が判明。9日に肺炎の症状があったため入院したが、主治医が11日にコンピューター断層装置(CT)画像について「新型コロナの肺炎像ではない」などとして県に再検査を要請した。
 県は冷凍保存していた最初の検体を解凍し、12日までにPCR検査を3回実施し、いずれも陰性。さらに入院していた医療機関でも11、12の両日に採取した検体をLAMP法で2回検査し、いずれも陰性だった。この感染者は退院した。
 県は検体の採取方法や検査手法を検証。専門家にも意見を求めたが「偽陽性の可能性もあるが、陰性と判断できる明確な根拠もない」として、陽性の判断はそのままという。中田勝己福祉保健部長は会見で「PCR検査の精度は必ずしも100%ではないので、今後は複数の検体を採取するなどして、検査の精度を高めたい」と述べた。


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