魅力、世界に届け! 吟詠剣詩舞の長崎県合同チーム 幕末志士の勇姿を表現 2020ウェブ総文

本番の動画収録を終え、笑顔でポーズを取る合同チームの生徒=長崎市栄町、長崎女子商業高

 新型コロナウイルス感染防止のためインターネット上で開催中の第44回全国高校総合文化祭(ウェブ総文)の吟詠剣詩舞部門に、県内5校の男女6人でつくる合同チームが参加。18日、幕末志士の勇姿を表現した構成吟「それ桜花の如く」の動画公開が始まった。6人は「日本の伝統芸能を世界中に知ってもらうチャンス」と、ネットでの魅力発信に期待を膨らませる。
 吟詠剣詩舞は、漢詩や和歌などを独特の節回しで吟じる「吟詠」、剣や扇を使って舞う「剣舞」「詩舞」の3要素で構成。県内の高校に部活動はなく、毎年、各師範の下で稽古に励む生徒が、県高校文化連盟吟詠剣詩舞専門部の合同チームとして参加している。今年は、各自で収録した動画を公式サイトで順次公開している。
 「それ桜花の如く」(約15分)は幕末から明治にかけて、高知県(土佐)をはじめ西日本を舞台に、若者たちが新しい時代を夢見て命と情熱を燃やし、桜花のように散った姿を表現。例年は本番前に数回行う合同練習もできず、7月下旬の収録が“ぶっつけ本番”となったが、6人は、りりしいはかま姿で堂々の演技を繰り広げている。
 冒頭は野田悠太さん=県立長崎東高2年=が土佐藩士・武市半平太の漢詩「獄中の作・花は」を吟詠。続いて内海莉真(りま)さん=県立佐世保中央高3年=、大藤朋佳さん=県立佐世保北高1年=のペアが、坂本龍馬を詠んだ和歌「世の中の」の詩舞を披露。
 岡澄玲(すみれ)さん=純心女子高3年=、梯慎司さん=県立佐世保北高2年=は、西郷隆盛の終焉(しゅうえん)を描いた剣舞「城山」で迫真の演技。細田愛琴(まこと)さん=長崎女子商業高3年=が剣舞「豪勇義経」で締めくくっている。
 野田さんは取材に「詩吟は詩を作る人の感情や考えを知ることができ、人生についても学ぶことができる」と醍醐味(だいごみ)を表現。岡さんは「ほかの都道府県の参加者と交流できなくて残念だが、演技を世界中の人たちに見てもらえる可能性がある」と笑顔で話した。
 動画はウェブ総文公式サイト(https://www.websoubun.com/)で公開中。

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