特別暑い8月、裏付けるもう一つのデータ 平均気温30度超の都市続々、過去最高レベルも

猛暑日の大阪市の御堂筋を歩く人たち=18日午後

 長梅雨で気温の低い日が続いた7月から一転、記録的な暑さとなった8月。浜松市で17日に国内史上最高気温に並ぶ41・1度を観測したことを筆頭に、最高気温の1位を更新した地点が全国で続出した。ただ、今年の8月の暑さはこうした際立つデータだけではなく〝平均値〟からも裏付けられているようだ。(共同通信=松森好巨)

 まず、今月の天気を簡単に振り返りたい。遅い梅雨明けが発表された後に迎えた8月上旬、広く高気圧に覆われた列島は35度以上の猛暑日になる地点が徐々に増え始める。全国921観測点のうち6地点で記録した1日に始まり、5日67地点、9日には86地点で観測した。ただ、これは序の口。中旬になると暑さにまつわる数値が跳ね上がっていく。

 230地点で猛暑日となった11日、群馬県伊勢崎市と桐生市で最高気温40・5度と、全国で今年初めて40度台に。その後も16日に浜松市天竜区で40・9度、そして翌17日には浜松市中区で41・1度を記録し、埼玉県熊谷市で2018年7月23日に観測した史上最高気温に並んだ。また、17日は兵庫県洲本市、愛媛県大洲市、鹿児島県鹿屋市など26地点で観測史上の最高気温を更新した(タイ記録を含む)。

 以上は最高気温など暑さがピークを迎えた時の記録だが、月平均でみた場合でもこの8月の特異さが浮き彫りになってくる。気象庁のホームページから主要都市の月平均気温(27日時点)を抜き出しみると―。

 大阪市 30・7度(平年差プラス1・9度)、京都市 30・6度(同2・4度)、高松市 30・6度(同2・5度)、名古屋市 30・3度(同2・5度)、岐阜市 30・2度(同2・2度)、福岡市 30・2度(同2・1度)―。

 ニュースなどで連日のように猛暑日が報じられていた東海から西日本では、月平均気温が30度を超える都市が続々出てきた。もちろんこれは27日時点の数値であり、月末までに変動はあるかもしれない。ただ、上の6市のうち岐阜と福岡を除く4市は、このまま推移すると8月の平均気温としては観測史上の最高記録となる。

 その一方で、史上最高に並ぶ気温をたたき出した浜松市の27日時点の平均気温は29・8度と、大阪市に比べ0・9度低かった。それでも、平年差はプラス2・3度で、7年前に観測した過去最高記録の28・8度を上回り、異常に暑い8月だったことは間違いない。ちなみに、東京は29・0度(平年差プラス2・6度)で、過去最高だった2010年の29・6度には及ばなさそうだ。

熱中症警戒アラートの発表を伝える東京・渋谷の大型ビジョン=18日

 では、各地の平均気温が例年と比べてここまで上昇した理由はなぜなのか。気象庁の担当者は「梅雨が明けたあと、太平洋高気圧に覆われ晴れの日が続いたため」と説明。さらに「太平洋高気圧より高層を覆うチベット高気圧が張り出したこと」も大きな要因という。より詳しいデータや分析などを盛り込んだ8月の天候まとめについては、気象庁が9月に発表する。

 また気象庁は25日、9~11月の3カ月予報を発表。気温は東日本(関東甲信、北陸、東海)、西日本(近畿、中国、四国、九州)と沖縄・奄美で高く、北日本(北海道、東北)で平年並みか高い。11月は北・東・西日本で平年並みの見込み。暖かい空気に覆われやすい一方、前線や南からの湿った空気の影響を受けやすいとしている。

© 一般社団法人共同通信社