重機と作業員落下 排水遅れ依然不明 タンク周囲に柵なし

旧小柴貯蔵施設地図

 横浜市金沢区の小柴貯油施設跡地の公園造成地で25日夕、重機と共に60代の男性作業員が地下タンクに落下したとみられる事故で、消防などは27日、男性の捜索活動を続けた。タンクにたまった雨水を抜く作業を進めているが、水は約1万立方メートルと大量で、排水作業は当初の予定より遅れ、28日昼前に終了する見通しという。27日午後9時までに男性は発見されていない。

 タンクは直径約45メートル、深さ約30メートルで、水は深さ約9メートル。ふたの一部がなく、崩落したとみられている。26日夜に排水ポンプを2台、27日にさらに3台を投入し、当初24時間ほどで終わるとみられていたが、泥や油などが多いため難航しているという。水中カメラなども使っているが、重機やタンクのふたも見つかっていない。

 市によると、現場では5月18日からタンクを埋めるために使われる残土を搬入していた。今月25日は男性作業員が1人で重機を操縦し、作業していたという。残土はタンク周辺など2カ所に仮置きすることになっており、市は関係場所以外は立ち入らないように業者に指示していた。男性が以前にもこの現場で作業していたどうか、市は把握していないという。

 タンクのふたは覆土されて周辺と同じように木々が生い茂り、周囲に柵などは設置していなかった。市担当者は「タンクの境界は分かりにくい。何らかの理由で立ち入った可能性はある」としている。

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