アスベスト第2陣訴訟で高裁判決 新たに1社の責任認める

東京高裁

 建設現場でのアスベスト(石綿)対策を国が怠ったため肺がんや中皮腫になったとして、県内の建設労働者と遺族64人が国と建材メーカー43社に16億9700万円余りの損害賠償を求めた「建設アスベスト神奈川第2陣訴訟」の判決が28日、東京高裁であった。村上正敏裁判長は一審横浜地裁判決を変更し、国と新たに1社を加えたメーカー3社の賠償責任を認め、原告64人に計約9億6千万円の支払いを命じた。

 一審横浜地裁判決が労働関係法令で保護対象となる「労働者」に該当しないとしていた、個人事業主「一人親方」に対する国の賠償責任も新たに認定した。

 同種の集団訴訟は全国8地裁で起こされ、高裁判決は6例目。東京や大阪など先行の判決では国の責任をいずれも認定、メーカーの責任も4例で認めており、国や企業の責任を広く認める判断が今回も続いた。地裁段階で認められない傾向のあった一人親方に対する国の責任が認定されたのは、高裁で5例目となった。

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