休日の読書に!草花と暮らす喜びを伝えるエッセイ『園芸家12カ月』

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『園芸家12カ月 新装版』

以前、カフェボンボンでご紹介した本が、装いも新たな姿で発売になりました。チェコの作家、カレル・チャペックの生誕130年を記念した一冊です。

園芸家12カ月 新装版
著者:カレル チャペック/翻訳:小松太郎
出版社:中央公論社

チェコの作家カレル・チャペックの草花をめぐる名エッセイ。植物をこよなく愛するアマチュア園芸家たちの一年をユーモラスにつづります。

1月から12月まで、アマチュア園芸家は大忙し。園芸にハマればハマるほど、やることは増える一方。植物の育ち具合に一喜一憂しながら水をやり、土を耕したり肥料をあげたり。雑草を抜いて植え替えをして。365日、自分の大切な草花のことを想って暮らしています。

真冬だって真夏だってやることがたくさん。1月は防寒対策をしつつ春の準備も着々と。8月は避暑地に出かけても、庭の植物が心配でたまらない。庭の見回りを頼んだ友人に、草花の世話の細かい指示を書いた手紙を毎日送ります。そんな愛すべき園芸家たちの姿をチャペックさんは温かく見つめています。

チェコの庭のお話ですが、読むたび植物を愛する喜びに包まれます。どの月のページにも「そうそう!」とうなずくことがいっぱいなんです。

厳しい残暑で元気のない植物たちも、あともう少しの辛抱ですね。9月の園芸家の章にはこんなふうに書かれています。「九月は二度咲きするすべての植物にとってすばらしい月、二度目の花の月、成熟するブドウの月だ。こういった点がすべてこの九月という月の、ほかの月にくらべてさらにいっそう意味深長な、神秘的な、いいところなのだ」

花と緑のある暮らしをしたくなる一冊をぜひどうぞ。

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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