安倍首相 辞意表明 核廃絶「存在感示せず」 長崎県内首長ら指摘も

 長崎県内の首長らは一様に驚きの表情を見せた。核兵器廃絶の分野では「存在感を示せなかった」との指摘が出た一方、地方創生やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の法整備などを評価する声が聞かれた。
 安倍氏は9日の長崎原爆の日の平和祈念式典に参列し、核兵器廃絶へ国際社会をリードすると強調する一方、長崎市の田上富久市長や被爆者団体が求めた核兵器禁止条約の署名批准に否定的な姿勢を示した。田上氏は「核廃絶へ具体的なリーダーシップや存在感を示すまでには至らなかった」と語り、次期政権に望みを託した。
 IR誘致を進める佐世保市の朝長則男市長は「日本が諸外国と同じ方向性で進む道筋を付けた」と評価した。新型コロナウイルスの影響でIR整備の行方は不透明だが「次の首相も方向性は続けると思う」と述べた。日米同盟強化を含む外交についても評価した。
 中村法道知事は、安倍氏の辞意表明に「大変驚くとともに残念」とコメントを発表した。コロナ対策の推進や本県関連の世界遺産登録への協力などに謝意を示し、体調の回復を願った。

 


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