「環境問題」考え行動促す 国内カトリック 9月1日から すべてのいのちを守るための月間

 日本カトリック司教協議会(会長・高見三明長崎大司教)が新設した「すべてのいのちを守るための月間」が9月1日に始まる。昨年11月にローマ教皇フランシスコが「すべてのいのちを守るため」をテーマに来日したのを受け発案。教皇が強い関心を寄せる環境問題を国内の信者が考え、行動するよう促す。期間は10月4日まで。毎年設ける。
 高見氏は「人類の共有物である環境を考えることで、人のつながりや命の大切さ、平和について考えてほしい」と話している。
 教皇は2015年に出した回勅(公的書簡)「ラウダート・シ」で、気候変動や水資源、生物多様性などに焦点を当て現代社会の在り方を批判。昨年の長崎訪問時の核兵器廃絶のメッセージでは、軍拡競争を「資源の無駄遣い」と断じた。
 新設の月間で、環境問題の学習や、ごみの減量、美化活動などを推進する。「無関心を遠ざけ、貧しい人や弱い人を支え、ともに暮らす家である地球を大切にできるよう、わたしたちの役割を示してください」などとする祈りも新たにつくった。期間中に唱える。
 日本のカトリック界は、1981年に教皇として初来日した故ヨハネ・パウロ2世が平和アピールを出した後は、広島、長崎の原爆の日と終戦記念日を含む8月6~15日を「平和旬間」と定めた。

© 株式会社長崎新聞社