走りやアイサイトの進化だけじゃない! レヴォーグのバージョンアップは他にもたくさん
テストコース内の限られたシチュエーションではあったけど、走りは全体的にますます良くなって、もともとのスポーティな持ち味にも磨きがかかった。先進運転支援システムは大きく進化して、“もっとぶつからないクルマ”になった。
それだけでも充分に喜ばしいのだけど、新しいレヴォーグがバージョンアップしていたのは、そこだけじゃなかった。
ちょっと駆け足になっちゃうけど、触れておきたいと思う。
11.6インチの縦型インフォメーションディスプレイ&液晶メーターに注目!
未来過ぎる! でも妙に落ち着くレイアウト
まずはインテリア関連。ダッシュボード周りがこれまでよりもクッキリした安定感のある水平基調のTの字ベースのデザインになって、視覚的にちょっと落ち着いた感がある。
そのTの字の縦と横の交わるところに位置する主役的な存在が、新たに設けられた大画面11.6インチの縦型インフォメーションディスプレイだ。
さまざまな操作系統、設定系統の機能がここに集約され、ナビゲーション、オーディオ、エアコンなどの飛躍的よく使う機能も、音声認識と並行してこちらで操作することができる。
Apple CarPlayやAndroidAutoなどスマホとの連携機能も、もちろん備わっている。iPadのようなタブレット端末を操作する感覚で使うことができるのは、やっぱり便利だと感じる。
メーターも12.3インチのフル液晶画面に
メーターパネルは、新たに12.3インチのフル液晶となった。通常の画面では速度計と回転計という2眼メーターを中心とした表示となるが、インフォメーションディスプレイと連携してナビゲーションを表示できる画面や、アイサイトの状況を中心とした画面に切り替えることもできる。
誕生した年を考えれば仕方ないことだけど、初代レヴォーグはこの分野では立ち後れたかたちになっていた。それがこのタイミングでの考えられる最良のレベルに達した、と考えてもらっていいだろう。
ちなみにこれらはEXグレード系に標準装備される。
スバルのノウハウがたっぷり反映されたシートや荷室の進化に感心
きっとこういうシートは長く乗っても疲れにくい
新型レヴォーグは、シートもよくなったな、と感じた。
形状そのものやウレタンの硬さ、バネの特性、身体を支持するプレートなどに手が入っているというが、腰がちゃんと包み込まれて背中の座りもいいから、スラロームのような区間でもホールド性には満足できるしドライビングの姿勢が崩れない。支えて欲しいところをしっかり支えてくれるという印象だ。
実際にこれでロングを走ったわけじゃないから、あくまでも経験から来る予想みたいなものだけど、こういうシートは疲れにくい。
荷室の進化もワゴンの老舗SUBARUブランドならでは
ステーションワゴンとして重要な荷室も、使い勝手がさらによくなった。
リアゲートの下側の方の開口部の横幅がざっくり3cmほど広くなってるし、荷室の床下に設けられたサブトランクの容量が29リッターも大きくなった。
床上と床下を合わせて、荷室容量は先代より+39リッターの561リッター。ゴルフバッグ4つをそのまま積めて、後方視界もしっかり確保できる広さだ。
こっちのほうがイイじゃん! 他社とは一味違う「ハンズフリーオープンパワーゲート」
リアゲートにも嬉しい仕組みが組み込まれていた。
リアゲート中央部のスバルのエンブレムに肘をかざすだけで、ゲートが自動的に開くハンズフリーシステムが備わっている。両手で大きな荷物を抱えているとき、雨の日に傘で片手が塞がってるときには、これはとても便利である。
バンパーの下に足を入れると自動で開くシステムが主流だけど、大きかったり重かったりする荷物を持っているときにはバランスを崩しやすかったりもするから、屈んで肘をかざすだけで済むこちらの仕組みの方が使いやすいかも知れない。
[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]