サッカーJ2のV・ファーレン長崎と高校生平和大使が29日、長崎から世界へ平和を発信していくことを目的とした提携を結んだ。核兵器廃絶を願う高校生の思いとV長崎の発信力をつなぎ、年間を通して、より幅広い世代に平和を発信していきたい考え。
被爆地のクラブとして平和活動に力を入れるV長崎が、核兵器廃絶を求める署名を国連に届けるなど世界を舞台に取り組む平和大使の活動に注目。7月初旬にクラブ側から打診した。
提携により、クラブ側は選手、スタッフらが平和をより深く学ぶきっかけとなり、高校生側はこれまで平和問題に関心の薄かった人たちへのアプローチが期待される。今後は▽試合会場に平和大使のブースを設置▽選手らを対象にした勉強会の実施▽互いの会員制交流サイト(SNS)で発信-などを想定している。
29日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で開かれた大宮アルディージャとの試合前に提携式を実施。V長崎の高田春奈社長は「たくさんのサポーターと一緒に高校生の皆さんの活動を後押ししていきたい」、第23代平和大使で鎮西学院高2年の大澤新之介さん(17)は「(提携に)本当に感謝している。これから全国、世界に一緒に伝えていきたい」とそれぞれ抱負を語った。
試合前には、純心女子高音楽部の生徒24人が8月9日の平和祈念式典で歌った「千羽鶴」の合唱をサポーターの前で披露。歌を通じて平和を発信した。部長の田鶴原綺さん(18)は「コロナ禍で歌える喜びも込めて歌った。皆さんの心に思いが届いているとうれしい」と述べた。
平和への思い 広い世代に V長崎と高校生大使が提携
- Published
- 2020/08/30 00:49 (JST)
- Updated
- 2020/08/30 23:54 (JST)
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