茨城放送・栃木放送・ラジオ福島 隣接ラジオ3社の災害時と平常時の連携協定締結 生活圏が重なり交流が深い隣県同士の強みを生かし、災害などの緊急時と平常時の2分野で締結

自然災害が相次ぎ、新型コロナウイルス感染拡大が続く中、放送エリアが隣接する茨城放送、栃木放送、ラジオ福島の3社は「防災の日」の9月1日付で災害時と平常時の連携協定を締結、発効します。8月26日に福島市のラジオ福島で3社が基本合意書を交わし、協力を確認しました。隣県3社の連携は初めて。

 3社の放送は茨城、栃木、福島3県の県境エリアを中心に各県域の一部で重複し、AMやワイドFMで互いの放送を聴取できる環境にあります。連携協定は生活圏が重なり交流が深い隣県同士の強みを生かし、災害などの緊急時と平常時の2分野で結ぶものです。

 地震や津波、豪雨などの大災害等で、放送局舎や送信所(アンテナ)が被災し、通常の放送が出来なくなるケースが想定されます。そうした緊急時に備えた協定の締結により、被災を免れた放送局が被災局の放送の一部を臨時的に代替放送し、被災地に向けた緊急放送で相互に援助し合う仕組みです。

 一方、平常時の放送でも防災や減災に向けた各地域の取り組みを紹介したり、旬の話題や暮らしの情報などを交換したりして、3県全域に周知できるよう連携をより強化します。

  とりわけ、コロナ禍の中でそれぞれの観光地が打撃を受けている現況に鑑み、3密対策を講じた観光地やイベントなどの情報を紹介し合う共通番組をはじめ、3県ラジオのネットワークを生かした共同企画、キャンペーンも随時、展開して参ります。

  3つの県や市町村の行政レベルでも近県との広域観光、人口交流の拡大を図る動きが加速しており、「お隣ラジオ」の連携で地域住民の安全・安心を守り、コロナ被災からの再生、収束後を見据えた地方再生の歩みを後押ししていきます。

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 調印式では、茨城放送の阿部重典社長(国見町出身)と栃木放送の黒川淳社長、ラジオ福島の花見政行社長が協定書に署名し、交換しました。

左から、茨城放送 代表取締役社長 阿部重典氏、栃木放送 代表取締役社長 黒川淳氏、ラジオ福島 花見政行 代表取締役社長

  席上、ラジオ福島の花見社長は「協定締結で、非常時に備える態勢をより強化できる。平常時にも『お隣ラジオ』のネットワークにより、互いの地域の観光情報や旬の話題を、3つの県に紹介し合うことが可能になる。コロナ禍の下、近場の観光の交流人口拡大、地方創生に貢献できるラジオの力を結集していきたい」と意義を強調しました。

  茨城放送の阿部社長は「緊急時、災害時にかかわらず、平常時においても3県で連携を取りながら、より一層の発展に寄与出来るよう進んでいきたい」、栃木放送の黒川社長も「栃木県民の皆さんには福島、茨城の情報を発信する。逆に栃木県民に対しては福島、茨城の情報を発信したい」とあいさつしました。

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