打率4割への挑戦 本命はレメイヒュー 意外な伏兵も登場

メジャーリーグの2020年レギュラーシーズンは残り4週間を切り、ほとんどのチームが30試合以上を消化して「後半戦」に突入している。60試合制の短縮シーズンということもあり、4割打者誕生が期待されたものの、現在の打率1位は.368のトレイ・ターナー(ナショナルズ)。この数字を見る限り、4割打者誕生は難しそうだが、規定打席に少し足りないところで2人の内野手が打率4割をキープしている。

打率4割への挑戦の「本命」といえるのがヤンキースのDJ・レメイヒューだ。今季ここまで24試合に出場して打率.402(92打数37安打)、4本塁打、10打点、OPS1.031の好成績をマーク。前日の時点で.398と4割を下回っていたが、今日の試合で先頭打者アーチを含む2本塁打を放ち、4打数2安打で4割復帰を果たした。

ロッキーズ時代の2016年に.348で首位打者のタイトルを獲得し、2015~19年の5シーズンで打率3割が4度と実績も十分。日本時間8月17~29日に左手親指の突き指で故障者リスト入りしていたため、現在99打席でチームの規定打席(106)にはわずかに届いていないが、復帰後も全試合で安打を放つなど好調を維持しており、4割達成のチャンスは十分にありそうだ。なお、首位打者のタイトルを手にすれば、史上初の両リーグ首位打者となる。

「本命」はレメイヒューだが、4割を超える高打率をキープしている内野手がもう1人いる。オリオールズのホゼ・イグレシアスだ。昨季までの通算打率は.273に過ぎず、規定打席以上で3割をクリアしたシーズンすら1度もないイグレシアスだが、今季は開幕から好調を維持。日本時間8月16日に5打数3安打で打率を4割に乗せると、そこから現在に至るまで4割以上の打率をキープしている。

今季ここまで21試合に出場して打率.405(79打数32安打)、0本塁打、14打点、OPS.972を記録。左大腿四頭筋を痛めて日本時間8月17~27日に故障者リスト入りしたため、現在82打席でチームの規定打席(109)には届いていないが、再び離脱するようなことがなければ残り25試合を平均4.16打席で規定打席はクリアできる。

打率を4割に乗せたところで戦列を離れたものの、復帰後は5試合連続でマルチ安打を記録。今季わずか1四球という超積極打法でヒットを量産している。開幕前、4割打者誕生の可能性が取り沙汰されるなかで、その候補としてイグレシアスの名前を挙げた者は皆無だった。仮に4割を達成できなくとも、首位打者のタイトルを獲得するようなことがあれば、今季有数のビッグ・サプライズとなるだろう。

なお、現時点での規定打席以上の打率ランキングは以下のようになっている。

アメリカン・リーグ
1位 ティム・アンダーソン(ホワイトソックス).345
2位 カイル・ルイス(マリナーズ).328
3位 ネルソン・クルーズ(ツインズ).328
4位 フランミル・レイエス(インディアンス).323
5位 ハンザー・アルベルト(オリオールズ).321

ナショナル・リーグ
1位 トレイ・ターナー(ナショナルズ).368
2位 フアン・ソト(ナショナルズ).355
3位 ポール・ゴールドシュミット(カージナルス).353
4位 チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ).346
5位 ドノバン・ソラーノ(ジャイアンツ).345

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