漆黒が凄過ぎる! 日本初の有機ELディスプレイを採用した「パナソニック ストラーダ」大画面10V型ナビ 2020年秋モデル発表

Panasonic 大画面SD カーナビステーション「ストラーダ CN-F1X10BLD」[パナソニック オートモーティブ社] 写真はトヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」装着例/大画面10V型ディスプレイには業界初採用となる有機ELを採用し、より引き締まった映像が楽しめる。

市販カーナビで日本初の有機ELディスプレイを採用

大画面SDカーナビステーション「ストラーダ CN-F1X10BLD」

今回パナソニックから発表された、2020年秋モデルの大画面SDカーナビステーション「ストラーダ」3機種のうち、「CN-F1X10BLD」「CN-F1X10LD」は10V型ディスプレイを採用する。大画面10V型ディスプレイ自体は、2019年秋に登場した前モデル「CN-F1X10BD」「CN-F1X10D」から採用を開始し好評を博していたが、今回のモデルチェンジでその画質が大幅にグレードアップした。

家庭用テレビやスマートフォンなどでは採用が始まっている有機ELディスプレイだが、気温変化が激しい車載カーナビ用となるとハードルは高く、これまで採用例がなかった。有機ELの搭載は、市販カーナビ業界で初の採用で大きなニュースだ。

有機ELディスプレイはココがスゴイ!

従来の液晶のバックライト方式ではなく、有機ELパネルでは自己発光方式を採用する。そのためバックライトの光漏れに起因する黒浮きをさせることもない。結果、コントラストも際立ち、黒色もしっかり表現出来る奥行きのある映像となる。これが有機EL最大の利点だ。

実際に従来モデルと比較したり、車載モデルのデモ画面を視聴してみたりしたが、なるほど漆黒の表現力は車載用とは思えぬ迫力だった。

こうした有機ELの特性は視野角の面でも有利で、斜めからでも鮮やかな表示を観ることが出来る。

さらにバックライトが不要な分、最薄部でわずか4.7mmという薄型形状を実現。2019年モデルと比べてもその差は歴然だった。マグネシウムダイカストを用いた外装フレームの内部にハニカム構造を組み合わせて軽量で高剛性な筐体とすることで、薄さを保ちながらも必要十分な強度も確保している点も見逃せない。

2DINなのに10インチ!? 驚異の430車種対応の秘密とは

コンパクトカー「ホンダ フィット」の車載例

さて、そもそも車載カーナビが搭載されるオーディオスペースは、2DINと呼ばれる国際規格によってサイズが決まっている。ここに収まるディスプレイは、多くの場合7インチサイズが最大だ。

フローティング構造「DYNABIGスイングディスプレイ」(写真は「ダイハツ タント」の車載例)

パナソニックでは、ディスプレイを手前にせり出させるフローティング構造「DYNABIGスイングディスプレイ」を採用することで、圧倒的な大画面の10V型ディスプレイを搭載することが出来た。

他社の大画面ディスプレイ製品の場合、インパネのオーディオスペース一式を車種ごとの専用部品に丸ごと置き換えて装着するものもあるが、パナソニックの大画面SDカーナビステーションは、ベース自体が通常の2DIN規格に収まるよう設計されている。そのため、実に430車種もの取付けを実現させることに成功している点も見逃せない。従来から広く採用されている2DIN企画だから、現行モデル以外でも装着出来る例は多い。対応車種については、パナソニックのWebサイトでチェックすることが出来るので、自身の愛車についても確認してみることをお勧めする。

専用2カメラドライブレコーダーやバックビューカメラもHD画質で表示可能に

大画面で美しいディスプレイは、当然HD解像度での高精細な表示が可能だ。フラッグシップモデル「CN-F1X10BLD」では、ブルーレイディスクの再生やハイレゾ音源にも対応する充実ぶり。そればかりか、ストラーダ専用のナビ連携ドライブレコーダーやリアビューカメラの映像との組み合わせでは、HD画質での表示が出来るように。ドラレコは前後2カメラタイプも用意され、その場で鮮明な映像による確認も可能となった。

さらに高画質となり、機能も充実した2020年秋モデルの大画面SDカーナビステーション「ストラーダ」。3機種の発売は、2020年10月中旬の予定だ。希望小売価格は「CN-F1X10BLD」「CN-F1X10LD」(それぞれ10V型有機ELディスプレイ)「CN-F1D9VD」(9V型WVGA)ともにオープン価格となっている。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:MOTA編集部・パナソニック オートモーティブ社]

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