コロナ対策 入院前にPCR検査 40病院対象、10月から 長崎県補正予算案

 長崎県は3日、新型コロナウイルス感染症対策として、休日夜間の救急患者を受け入れる輪番病院の新規入院患者全員に対し、PCR検査などを実施する費用3億7600万円を盛り込んだ総額285億3600万円の本年度一般会計補正予算案など12議案を発表した。10日開会予定の定例県議会に提出する。
 県によると、新型コロナの症状がなかったり、感染者の接触者でなかったりする場合、検査は保険診療外で自己負担になるという。県内40の輪番病院を対象に、保険診療外となる新規患者に入院前の検査を徹底し、院内感染を防いで医療体制の維持を図る。患者約4万人を想定し、10月めどに開始する予定。
 介護施設や障害者施設、精神科医療機関計約1400施設でも入所、入院前の検査費として3億6200万円を計上。いずれも国の地方創生臨時交付金を充てる。
 また、県内全体のPCR検査を現在の1日約1200件から年内に1日約2500件に拡充するため、県環境保健研究センターなどへの検査機器の整備費1億7900万円を計上。県民などから寄せられたコロナ対策寄付金を活用し、長崎大が取り組むワクチン開発への支援として1千万円を盛り込んだ。
 このほか、7月豪雨で被災した道路や河川、山地の地滑りなどの復旧、対策事業費として71億7300万円を計上した。補正後の一般会計予算総額は8402億4900万円で、前年同期比18.0%の増加。

© 株式会社長崎新聞社