独立Lから育成…遅咲きの鷹・渡邉雄大がプロ初登板で3者凡退「ホークスさんに恩返しを」

プロ初登板したソフトバンク・渡邉雄大【写真:藤浦一都】

独立リーグから育成で入団、8月31日に支配下勝ち取り1軍デビュー

■ロッテ 4-3 ソフトバンク(4日・PayPayドーム)

8月31日に育成から支配下に登録されたソフトバンク・渡邉雄大投手が、4日のロッテ戦で5番手として登板。念願のプロ初登板を3者凡退で飾り、ベンチに引き上げる際にはチームメートに祝福された。

渡邉雄は青学大からBCリーグ新潟に進み、2017年の育成ドラフトでソフトバンクに入団。その時すでに26歳で“オールドルーキー”として話題になった。初めてパパにもなるという今年、8月31日に支配下登録され、この日遅咲きの花を咲かせた。

2点ビハインドの8回、すでに2安打を放っていた藤岡裕大をストレートで遊ゴロ、1番の加藤翔平を三ゴロ、2番のマーティンをスライダーで遊飛に打ち取る完璧な投球で、堂々のプロ初登板を飾った。

「今年の3月にオープン戦(開幕前の練習試合)を経験させていただいて、これ以上ないくらいに緊張したので、落ち着いて自分のピッチングができたと思います」。渡邉雄はそう振り返った。

マーティンを打ち取ったスライダーは「一番自信のあるボール」だといい「長打のある選手なので自分の一番いいボールを思い切って投げました」と胸を張る。

コロナの自粛期間にトレーニング法の改善に着手

開幕前の練習試合で「1軍のレベルを肌で感じた」と話す渡邉雄は、新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中に自分の改善点をしっかりと整理してトレーニング法の改善などに取り組んできたという。それが実を結んで2軍戦でも結果を残し、支配下登録からこの日の1軍デビューに繋がった。

「ここで投げることを目指して、大学でも投げられない中で独立リーグに進んでホークスさんに拾っていただいた。そしてまたこういうチャンスをいただいたので、恩返しのためにもチームのために投げていきたい」

“オールドルーキー”としての入団から、さらに3つの年齢を重ねた左腕は、ドラフトで指名してくれた球団だけでなく、大切な家族や応援し続けてくれた周りの人たちへの恩返しのために、これからも必死でその左腕を振り続ける。

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(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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