台風10号 あすにかけて沖縄・奄美に最接近 最大限の警戒を 九州も事前の備えが必須

 非常に強い台風10号は、あす6日(日)午前に沖縄地方へ、あす午後にかけて奄美地方へ特別警報級の勢力で最も接近する見込みだ。その後も特別警報級の勢力を維持したまま北上を続け、あす午後からあさって7日(月)にかけて九州に接近または上陸するおそれがある。

特別警報級の勢力で奄美に最接近へ その後も勢力維持し九州接近・上陸のおそれ

非常に強い台風10号は、きょう午前6時には南大東島の南南東にあって、時速15キロで西北西へ進んでいる。中心の気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大瞬間風速は70メートルで、暴風域を伴っている。

 台風は、あす日曜午前に沖縄地方へ、あす午後にかけて奄美地方へ特別警報級の勢力で最も接近する見込みだ。その後も特別警報級の勢力を維持したまま北上を続け、あす午後からあさって月曜日にかけて九州に接近または上陸するおそれがある。

甚大被害のおそれ 台風接近前に備えを

 たとえ、少し離れた海上を進むことになっても、勢力が大変強いため、甚大な被害が出るとみられる。台風が近づく前には、暴風や高波、大雨への備えをするとともに、避難計画を立てておく必要がある。今回は鉄筋が変形するほどの記録的な暴風になるおそれがあるため、家が脆弱な作りだったり、老朽化していたり、復旧中などの場合は、頑丈な建物への避難が必要だ。台風の動きこまめに確認しつつ、それぞれの状況に応じたタイミングで明るいうちの避難が必要だ。

暴風・高波 記録的な暴風・高波のおそれ

 台風の接近に伴い、沖縄地方では大東島地方を中心に次第に風が強まり、きょう昼前からあすにかけて暴風となる見込み。奄美地方や西日本でも、あすから月曜日にかけて暴風となる所がありそうだ。沖縄地方や九州南部・奄美地方では、一部の住家が倒壊するおそれがある猛烈な風が吹くとみられる。

 風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに屋内では窓から離れるなど、暴風に厳重に警戒が必要になる。九州北部地方でも、月曜日は猛烈な風の吹くおそれがある。

 また、大東島地方では、うねりを伴った大しけとなっている。きょう朝は、うねりを伴った猛烈なしけとなる見込み。また、沖縄本島地方や奄美地方ではきょう夕方から月曜日にかけて、西日本や東日本太平洋側ではあすから月曜日にかけて、警報級の高波となりそうだ。

 台風が接近する地域では、記録的な暴風や高波となるおそれがあるため、最大級の警戒が必要となる。

高潮 高潮+高波で浸水のおそれ

 台風の接近に伴い、沖縄地方ではあすにかけて、九州南部・奄美地方や九州北部地方ではあすから月曜日にかけて、四国地方や中国地方ではあすから火曜日にかけて潮位が高くなり、海岸や河口付近の低地では浸水や冠水のおそれがある。

 潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると、波が海岸堤防を越えて浸水するおそれもある。高潮や、高潮と重なり合った波浪による浸水などにも厳重な警戒が必要だ。

 台風が接近する地域では、記録的な高潮となるおそれがあるので、こちらにも最大級の警戒が必要となる。

大雨・雷・突風 台風から離れていても大雨に

 前線が日本海北部から西日本へのびている。前線に向かって、南海上から暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、西日本から東日本では大気の状態が非常に不安定となっており、西日本では雷を伴った非常に激しい雨の降っている所がある。

 台風の北上に伴い、引き続き月曜日にかけて、西日本から東日本には南海上から暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定になる予想。局地的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みだ。特に、西日本から東日本の太平洋側では、月曜日にかけて東から南斜面を中心に総雨量が多くなり、大雨となるおそれがある。

 台風が接近する沖縄地方や奄美地方では今夜遅くからあすにかけて、九州南部や九州北部地方ではあすから月曜日にかけて、雷を伴った猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所がありそうだ。

 土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要となる。台風の周りの非常に発達した雨雲がかかったり、湿った風が流れ込み続け同じような場所で活発な雨雲が停滞すれば、国管理河川のような大河川でも氾濫するおそれがある。このほか、竜巻などの激しい突風や落雷にも注意が必要だ。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には建物内に移動するなど、安全確保に努めたい。

 台風が接近する地域では、記録的な大雨となるおそれがあるため、地域ごとの雨の状況、地形の特性にも注視しながら、最大級の警戒が必要となる。

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