首位・鷹がロッテに痛い逆転負け 裏目に出た継投、工藤監督の意図はどこに?

ソフトバンクがロッテに痛い逆転負けを喫した【写真:藤浦一都】

代打の菅野を迎えた場面で左の嘉弥真を投入せず「僕の中にはなかった」

■ロッテ 4-3 ソフトバンク(4日・PayPayドーム)

ソフトバンクは4日、本拠地PayPayドームでロッテと対戦し、痛い逆転負けを喫した。序盤に先制しながらも、7回の継投が裏目に出て逆転。試合後、工藤監督は開口一番に「すみません」と謝罪し「みんな一生懸命やった結果。これを受け止めて次に繋げていくことが大事」と語っていた。

3回に川瀬の二塁打、周東の適時打と下位打線で先制に成功。4回にはグラシアルが4号ソロを放って加点した。先発のムーアは6回途中まで1失点と好投。6回2死二塁で救援した板東も窮地を凌いで1点のリードを守った。

だが、7回に状況は逆転した。イニングを跨いで続投した板東が1死から加藤、マーティンに連打を許して一、三塁のピンチを招いた。ここでロッテベンチは右の清田に代えて、左の菅野を起用した。当然、ここで想定されたのは“左キラー”の嘉弥真の投入。次打者も左の安田だっただけに、その可能性は十分に考えられた。

ただ、ホークスベンチの決断は板東の続投。そして右腕は菅野に右前適時打を許して試合は振り出しに戻った。なおも一、三塁のピンチは続く。ここで嘉弥真を投入したが、安田に死球。右の中村奨を迎えたところで、この回3人目の泉がマウンドに上がったが、中村奨に2点適時打を許して試合をひっくり返された。

この日はモイネロが休養日で板東のロングリリーフを期待していた

工藤公康監督は試合後、この回の継投の狙いをこう説明した。「そこ(菅野のところでの嘉弥真起用)は僕の中にはなかった。今日はモイネロは使わないという日だったので、できれば、あのまま8回くらいまで(板東が)いくことを考えていた。間に挟むとすれば嘉弥真くんを挟んで、というのは考えていたんですけど」と明かす。

理想の形は6回途中に投入した板東が8回まで凌いで、守護神の森に繋ぐことだった。モイネロはこの日は休養。菅野を迎えた場面でも、板東が菅野を抑え、出来るだけ長いイニングを引っ張ってくれることを信じた。その指揮官の思惑は外れ、板東は同点に追いつかれた。

同点に追いつかれたことで、それ以上の失点を防ぐために安田のところでの嘉弥真投入に。「点が入ったので、嘉弥真くんを使っていい形で抑えられれば、逆転されても1点というところ。1点だったら7、8、9回で取り返せるという思いが僕の中にはあった」と工藤監督は言う。

結果的には板東の続投、嘉弥真と泉の投入は裏目に出た形となり、逆転負けを喫したソフトバンク。2位ロッテとの直接対決に敗れ、その差は2.5ゲームに縮まった。昨季大きく負け越したロッテとの今季の対戦は3勝6敗1分となった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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