【台風10号】長崎気象台「経験ない暴風」 あす上陸の恐れ 6日昼すぎに強風域に

5日朝から続々と避難所に身を寄せた五島市民。体を横にしたりテレビを見たりして過ごした=午後4時9分、五島市富江町

 大型で非常に強い台風10号は特別警報級の勢力を保ちながら北上を続け、7日未明から朝にかけて本県に最接近する見込み。本県に上陸する恐れがあるとして長崎地方気象台は5日、これまで経験したことのない記録的な暴風や大雨、高波や高潮に最大級の警戒を呼び掛けた。五島市は市内42カ所に避難所を開設。33カ所に計990人(午後8時現在)が避難した。
 同気象台によると、本県は6日昼すぎに風速15メートル以上の強風域に、6日夜遅くに風速25メートル以上の暴風域に入る見込み。7日に予想される最大瞬間風速は海上が55~70メートル、陸上は40~60メートル。波の高さは9メートル。5日午後6時から7日午後6時までの48時間降水量は多いところで350~450ミリに上る可能性がある。
 本県の西の海上を北上した台風9号と異なり台風10号は本県にかなり接近するとみられ、風向きの急変やうねりを伴った大しけに警戒が必要。高潮や高波で海岸や河口付近では浸水や冠水の恐れがある。同気象台は「命を守るために早めの対策を」と呼び掛けた。
 五島市の避難所の一つ、市勤労福祉センター(池田町)では午前8時半の開場前から毛布や食料品などを抱えた人たちが行列をつくった。同市大荒町の女性(78)は台風9号の影響で風呂場や寝室の窓ガラスが割れ、台風が過ぎ去るまで2泊する予定という。「新型コロナの心配もあり、ホテルを予約しようとしたが満室だった。家は不安なので一番安全そうな建物に避難した」と不安げに語った。

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