リアル形状のテールがボトムで魅惑のアピール ! え?スティックベイトなのにボトム!? 『ファンタスティック(レイドジャパン)』@850円!【今週のお買い物】

編集部員によるリアルガチ自腹購入&忖度無し(過ぎて問題も!?)連載です。今回福重が購入したのはレイドジャパンのファンタスティック! 最近何度目かのブームを迎えつつあるスティックベイト系のワームなんですが、実は自分、これのプロトタイプのころに取材をしたことがあって、その時からず~っと気になっていたんです。どのくらいず~~っとかって? 3年位です。

【Profile】
ルアマガプラス編集部・福重
入社して何年立ったか忘れ始めたぐらいの職歴を持つ編集者。特に好きな釣りはバストラウトアジメバロックフィッシュ。パン派のB型。画像はイケメンだった頃のプリクラ。(現在は30%増量キャンペーン実施中)

前回の福重の記事はコチラ↓

編集部あるある「プロトのルアーを見て欲しくなる」

一応、福重はこれでも編集の端くれ。(だと思いたい)

まだまだ経験は浅いですが、ルアーマガジンの制作には2015年から、ルアーマガジンソルトは2018年から携わっていました。(隙きあらば自分語り!)

ちなみに初めてちゃんと記事を作成したのは、ルアーマガジン200号記念号の付録「レアリスシャッド59MR」の組み立て方紹介ページ。記事内でも登場する左のカラーは福重が塗ったものなのです(ドヤァ)

そんな中で取材に行くと、ルアー・ロッド・リール問わず、色々なメーカーの販売前のモデル、いわゆるプロトモデルを目にすることが多くなるんです。(約得?)

はい。約得だと思ってます(暴言)

ちなみに取材の内容が実際に雑誌になった際、そのプロトモデルの存在が明かされる(記事に載る)割合は1割とかですかね(福重比)

そんな数少ない「許された」プロトモデルとして割と早い段階から読者の皆さんも知っていて、福重が気になっていたルアーがあるんです(なんだってー)

それがこれです(↓)

いつどこで載っていたものかわかったらアナタは本物のルアマガマニア! (粗品をプレゼント!)

スレンダーボディにベイトフィッシュライクなテールを持つこのワームは、レイドジャパンプロトスティックベイトとして紹介されていたアイテムです。

岡友成さんの取材で紹介していただいたものなのですが、福重はその頃からコイツが気になりまくり!

初めて見たのは2018年の2月。

3年近く前になりますね。

そして現在! 遂に製品版が登場!? ファンタスティック!

ファンタスティック 5.8in(レイドジャパン)

今回のお買い物はレイドジャパンのファンタスティック!

ベイトフィッシュライクなシルエットを持ついわゆるスティックベイト系のワーム。

4.8inと5.8inがラインナップされており、福重が購入したのは5.8inモデルです

確かに、かつて福重が取材の際に目にしていたレイドジャパンのプロトタイプルアーと、今回購入したファンタスティックは似ている気がします。

ですが、果たして本当に繋がりがあるのか?

気になった福重は、岡友成さんにお話をうかがってみました。

【Profile】
岡友成(おか・ともなり)
パワーゲームはもちろん、フィネスをも得意としながら、ラン&ガンによる攻めのスタイルを崩さないのが身上。レイドジャパンの開発ブレーンであり、徹底した現場主義の“ものづくり”で釣れるタックルを生み出し続けている。

やっぱりあのプロトがファンタスティックだった!

お久しぶりです岡さん! ファンタスティック、買いましたよ!

岡「久しぶりです! ありがとうございます!」

ズバリお聞きしたいのですが、以前自分が取材させていただいた際に見せてもらったプロトタイプのスティックベイト、あれがこのファンタスティックになったんですか?

岡「あーありましたねそんなこと! そうですね。時間はかかってしまいましたが、あれがファンタスティックですよ」

取材させてもらったのは2018年の2月ごろだったので、もう3年近く前ですもんね。

岡「実はもっと長くて、バギークロー(2015年3月発売)と同時期くらいから作り始めているので、5年以上前になりますね」

おお! 相当な難産だったわけですね。やはりそれだけこだわって作っているわけですよね。

岡「もちろんです。狙った動きと、見た目。その両方をクリアしています!」

見た目と動きを両立させたテール

特徴的なテール。ここがまさに重要そうですよね。

岡「そうなんです。魚のヒレの形のままで、アクションさせたかった。それがこのテールです」

確かにリアルなベイトフィッシュらしいフォルムだしかっこいいです! でも魚のヒレの形でアクションするテールってすでにあるような…。

岡「たしかにあるのですが、それらはルアーが泳いでいるときにはよく動きますが、止めてしまうとテールアクションも止まってしまう。そうじゃなくて、ルアーが止まってもテールは余韻で動いてほしかったんです」

見た目だけではなく、当然動きにもこだわっていると。

岡「もちろんです。テールを見てもらうと、下半分は普通のシャッドテールのようになっていますが、上半分に出っ張るような形になっています。これがポイントで、泳いで水の抵抗を受けた時に、上下で力のかかり方が違いますよね。そうすると、テールの上下でネジレに時間差が生じるんです。そのおかげで、ルアーが止まってもテールは余韻で動いてくれるわけです」

なるほど! リアルなだけでなく、理にかなった動きをしてくれるわけなんですね。

付け根部分が薄くなっているのも同じ様な狙いがあるわけですか?

岡「僅かな水流でもよく動くようにしています。そのためダート中はもちろん、フォール中にもしっかりとテールが動いてくれるんです。あとこの付け根の形状ですが、一番細い場所が分散している(太さが急に変わっている部分)ため、テールがかじられても切れにくくなっています」

ボトムでの動きにこだわった!?

岡「それとファンタスティックは、開発のスタート時から考えていた、ボトムでしっかりと使えるスティックベイトに仕上がっていますよ」

ボトム? 自分はてっきり表層で使うソフトジャークベイト的なものを想像していました!

岡「もちろんそういった使い方も出来はしますけど、それだけを求めるのであればすでに良いものがあるわけです。ファンタスティックはそうではなく、ボトムで使うことも重視して作っているんです」

具体的にはどういう使い方を意識しているんですか?

岡「ノーシンカーリグでのズル引きですね。それとボトムでのジャーク&ポーズ。先述したテールのおかげもあって、これらの使い方で今までにない誘いを入れられるんです。従来のボトムで使うスティックベイトはもっとシンプルなものが多く、もっと誘える要素が欲しかったというのもファンタスティックに求めた要素だったんですよ」

スティックベイトだとズル引きしたりダートさせようとしたりしても動きすぎちゃいませんか?

岡「大丈夫です! そのために設けられているのがボディ中央部にある2本のスリットですよ」

ビッグベイトのジョイントのようなやつですね。

岡「この部分が水を噛むので、ズル引きでも手前によってきにくく、操作感もいい。しかもダートさせるときにはこの部分が折れ曲がることでブレーキとなり、動きすぎを防いでくれるんです」

ネイルシンカーを使って簡単にカスタマイズ!

背中側のスリットは針先を隠すためのデザインだとわかるのですが、お腹のスリットはどういった役割があるんですか?

岡「ひとつは、縦扁平のワームなので少しでもフックがずれやすいように、埋まっている面積を減らすため。もう一つが、ネイルシンカーを入れる際の目安ですね」

いわゆるネイルリグでの使用も想定しているんですね。

岡「基本的には先にも紹介している通りノーシンカーで使うのですが、ネイルシンカーをスリットの前後どちらかに入れることで、動かし方や狙い方を変化させることが出来るんです」

スリットの前側に刺すとどうなるんですか?

岡「頭下がりの姿勢で沈みやすくなるため、速いスピードのボトムジャークで使いやすくなります。広い範囲をスピーディーに探りたいときなんかにおすすめです」

では後ろ側に刺すと?

岡「後ろ側と言ってもボディ全体では中心部になりますので、センターバランスがとれてフォール時にシミーフォールしやすくなります。ボトムをゆっくりズル引きしたり、縦ストラクチャーを狙うときなんかにおすすめですね」

使い方とセッティングの注意点

使い方はすでにお聞きしていますが、ノーシンカーリグでのボトムズル引きとボトムジャークですよね?

岡「ほぼほぼそうですね。他には表層トゥイッチ、フリーリグ、ヘッドスライドのトレーラーにしたりもします。4.8inに関しては、加えてジグヘッドやヘビキャロでも使いますね」

サイズによる使い分けもあるんですか?

岡「製品版ではちょっと縮んでしまいましたが、開発時は6inで進めていたこともあって5.8inが自分の中ではベースです。ただ、フィールドの大きさによって使い分けたり、ベイトフィッシュのサイズ感に併せるのも重要ですね」

最後に注意点とかもあれば教えて下さい!

岡「ノーシンカーリグはハリそのもののウェイトが重要な要素になってくるので、まずはまっすぐ刺すことが何よりも大切です。そのために、お腹側のスリット前方にもごく浅いスリットが入っていますので、そこを参考にまっすぐ刺すことを意識してください。それからフック選びにも注意です」

サイズとかですか?

岡「推奨しているのは5.8inなら#5/0、4.8inなら#4/0です。加えて太さも重要です。軸線系が細いと同じサイズのフックでも軽くなってしまうので、横に寝てしまうことがあるんです。だから具体的なおすすめは、ノガレス フッキングマスターリミテッドエディションモンスタークラス(モーリス)。理由は、開発段からこのフックを使っているから、です(笑)」

なるほど! 実質専用フックなわけですね(笑)

色々教えていただきありがとうございました!

岡「いえいえ。こちらこそありがとうございました! あ、百聞は一見にしかず。ファンタスティックの動画もぜひ見てみてください!」

水中動画が凄かった!

そんなわけで最後に、岡さんに教えてもらった動画を御覧ください!

かゆいところに手が届きまくり!!

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