ゼロから学ぶパン酵母
はじめてのパン作り
生地を発酵させる役割がある酵母。
酵母は酵母菌のことで、ドライイーストも天然酵母も含まれますが発酵力や味わいはさまざま。
パン酵母を知るとパン作りがもっと楽しくなりますよ。
自家製酵母の作り方も紹介していますので、慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください。
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パン酵母とは
パン酵母とは、パン作りに適した酵母のこと。
パン作りに適した酵母を純粋培養した「イースト」や野生の酵母を培養した「天然酵母」があります。
パン酵母のはたらき
パン酵母には糖分や水と結びつき、生地を発酵させるはたらきがあります。
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イーストとは
イーストとは、パン作りに適した酵母のみを凝縮したパン専用の酵母です。
発酵力が安定しているため、日常のパンづくりに向いています。
イーストは「生イースト」、「ドライイースト」、「インスタントドライイースト」の3種類に分けることができます。
生イースト
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パン酵母を培養後に水洗いをし、脱水機で水切りした生イースト。
パン屋さんでも用いられることが多く、万能タイプのイーストです。イースト臭がなく、ふんわりとした食感を楽しむことができます。
オールマイティーに使えますが、特に砂糖が多い生地との相性は◎。
低温に対する耐久性もあるため、冷蔵・冷凍保存する生地にもおすすめです。
開封後は早めに使い切りましょう。
【おすすめのパン】
リッチなパン(菓子パンなど甘みの強いパン、食事パン)
ドライイースト
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パン酵母を低温で長時間乾燥させ、脱水し粒状にしたドライイースト。
ドライイーストは酵母が仮眠状態にあるため、ぬるま湯に入れて発酵力を復活させる必要があります(予備発酵)。
一手間掛かりますが、長期間の保存が可能。
また、発酵産物の香味成分がよく、パン生地の風味がよくなります。
糖分に弱いため、ハード系のパン作りに用いましょう。
【おすすめのパン】
フランスパンなど、甘みの少ない食事パン
Q.パンの種類によってイーストを使い分けるのはなぜ?
Q.セミドライイーストとは?
Q.ドライイーストの予備発酵がうまくいかない
インスタントドライイースト
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生イーストをドライイーストよりも短時間で乾燥させ、乳化剤を加えてできるインスタントドライイースト。
ドライイーストよりも細粒状で、予備発酵が不要です。
発酵力が強く、初心者でも簡単にパンを作ることできます。
無糖生地用と加糖生地用があり、どんなパンでも作ることができます。
ドライイーストよりも手軽に使えますが、開封後の劣化はドライイーストよりも早いため注意が必要です。
【おすすめのパン】
あらゆるパンに
Q.パンの種類によってイーストを使い分けるのはなぜ?
Q.セミドライイーストとは?
Q.赤サフと金サフ、青サフの違いは?
天然酵母とは
天然酵母とは、自然界に生息している様々な酵母菌を指します。
果実や穀物の恵みを取り入れた天然酵母には、様々な種類があり、それぞれに特性があります。
酵母には様々な種類がありますが、形状は大きく分けて「ドライタイプ」と「自家製タイプ」に分けることができます。
ドライタイプ
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天然酵母を乾燥させて粉末状にしたドライタイプ。
顆粒のパン種とぬるま湯(30度)を1:2の割合で混ぜ合わせ、28~30度で24時間発酵させて生種として使います。
用途別に複数の酵母を配合したタイプの天然酵母もあります。
自家製タイプ
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果物や穀物に水を入れて、酵母を培養する自家製タイプ。
温度や湿度管理などが必要なため上級者向けではありますが、原料別に異なる特徴を持つ酵母を作ることができます。
自家製酵母の作り方
人気ブロガーのvivianさんに、自家製酵母の作り方を教えていただきました。
・レーズン酵母
・グリーンレーズン酵母
・りんご酵母
・ヨーグルト酵母
Q.自家製酵母のオリとは?
Q.酵母づくりに使用したレーズンや林檎は食べれる?
レーズン酵母でパンを焼いてみよう!
レーズン酵母の作り方
自家製酵母の基本の酵母です。
いつでも手に入るレーズン酵母は発酵力も強く、どんなパンとも相性抜群!初心者の方でも起こしやすい酵母です。
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1日目
(1)使う瓶を熱湯消毒する。
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1日目
(2)材料をweckに入れ、ラップをしてweckプラスチックカバーをする。混ぜ合わせた後の温度は25度~28度位が望ましい。
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2日目
レーズンが水を含んで膨らみ、少し泡が出てくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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3日目
水の色が濃くなり、一部レーズンが浮いてくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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4日目
レーズン全体が浮いてくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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5日目
泡の勢いが増してくる。レーズンが酵母液から持ち上げられるようになる。この時点で冷蔵庫に入れ、1日置く。底面に酵母菌がたっぷり含まれたオリが現れる。使うときには瓶をよく振ってこのオリも一緒に使う。
グリーンレーズン酵母の作り方
あっさりとしたくせのない酵母で、レーズン酵母と比べて甘みも少ないです。
発酵力がとても強く、初心者の方でも起こしやすい酵母です。
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1日目
(1)使う瓶を熱湯消毒する。
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1日目
(2)材料をweckに入れ、ラップをしてweckプラスチックカバーをする。混ぜ合わせた後の温度は25度~28度位が望ましい。
2日目
グリーンレーズンが水を含んで膨らんでくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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3日目
水が濁り、泡が少し出てくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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4日目
グリーンレーズン全体が浮いてくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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5日目
泡の勢いが増してくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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6日目
グリーンレーズンが酵母液から持ち上げられるようになる。この時点で冷蔵庫に入れ、1日置く。底面に酵母菌がたっぷり含まれたオリが現れる。使うときには瓶をよく振ってこのオリも一緒に使う。
りんご酵母の作り方
発酵力が強く、比較的失敗の少ない酵母です。
粉を捏ねているとりんごのフルーティーな香りに包まれます。
今回は皮と芯で酵母を起こしましたが、実も一緒に発酵させて酵母液ドリンクを作っても美味しく頂けます。
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1日目
(1)使う瓶を熱湯消毒する。
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1日目
(2)材料をweckに入れ、ラップをしてweckプラスチックカバーをする。混ぜ合わせた後の温度は25度~28度位が望ましい。
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2~3日目
水が色付き、少し泡が出てくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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4日目
泡の勢いが増してくる。りんごの皮が酵母液から持ち上げられるようになる。この時点で冷蔵庫に入れ、1日置く。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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5日目
泡の勢いが増してくる。りんごの皮が酵母液から持ち上げられるようになる。この時点で冷蔵庫に入れ、1日置く。底面に酵母菌がたっぷり含まれたオリが現れる。使うときには瓶をよく振ってこのオリも一緒に使う。
ヨーグルト酵母の作り方
発酵の見極めが少し難しいので、レーズン酵母やリンゴ酵母に慣れてきたら挑戦したい酵母です。
ヨーグルト酵母はふんわりしたパンを作るときにおすすめです。
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1日目
(1)使う瓶を熱湯消毒する。
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1日目
(2)材料をweckに入れ、ラップをしてweckプラスチックカバーをする。混ぜ合わせた後の温度は25度~28度位が望ましい。
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2日目
少し分離し、泡が出てくる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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3日目
分離が激しくなる。1日2~3回、瓶をよく振って、蓋とラップを外し外気に触れさせる。再びラップと蓋をして寝かせる。
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4日目
泡の勢いが増し、発酵のピークとなる。この時点で冷蔵庫に入れ、1日置く。使うときには瓶をよく振って使う。
自家製酵母の保存&使い方
自家製酵母の保存方法
出来上がった酵母は冷蔵庫で保管します。1か月位を目安に使い切るようにしましょう。
また、使い切った酵母の瓶にそのまま同じ材料を入れて発酵させると、瓶に残っている酵母菌の力で早く発酵します。鼻に付いた臭いがしたり、カビが発生したら、瓶を熱湯消毒して初めからやり直しましょう。
自家製酵母の使い方
(元種の作り方)
起こした酵母エキスを仕込み水に入れてパンを作る「ストレート法」。
あまりボリュームを出したくないバゲット等に使います。
また、酵母エキスを使った元種でパン生地を作る「元種法」でパンを作ると、ふんわりとボリュームのあるパンに。
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700㏄~800㏄程度の瓶を熱湯消毒します。よく冷ましたのち、酵母エキス50g、全粒粉50gを入れて清潔なスプーン等で粉気がなくなるまで混ぜて蓋をします。
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暖かい場所(25~28度)に置き、2倍程度になるまで発酵させます。このとき、元の量に輪ゴム等をして印をつけておくと便利です。約6時間~8時間程度かかります。あまり時間をかけても膨らまない場合は酵母エキスから作り直しましょう。
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(2)へ更に中力粉70g、水50gを入れて良く混ぜ、暖かい場所(25~28度)に置き、2倍程度になるまで発酵させます。2~3時間程度で2倍になります。
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(3)へ更に中力粉100g、水70gを入れて良く混ぜ、暖かい場所(25~28度)に置き、2倍程度になるまで発酵させます。1~2時間程度で2倍になります。その後冷蔵庫で1晩置き、元種として使います。
パン酵母Q&A
Q.パンの種類によってイーストを使い分けるのはなぜ?
イーストは、パン生地内のショ糖や小麦粉に含まれるでんぷん質をブドウ糖などに分解して栄養源にしています。この栄養源や湿度や湿気などの条件が揃うとイーストは増殖し、パン生地は発酵を始めます。
逆に言うと、この条件が揃わないとパン生地は発酵を始めることができません。
パンの種類によってイーストを使い分ける理由は、ここにあります。
パン生地内のショ糖を分解する性質が強く、砂糖を素早く分解し発酵を促進する
小麦粉のでんぷん質を麦芽糖に変え、自身の酵素を使ってブドウ糖に分解し栄養源にすることができる
上記の特徴を踏まえて、使い分けを考えてみましょう。
砂糖を多く含む菓子パンやソフト系のパンに、加糖生地用のイーストを使うと、砂糖は早く分解し発酵が促進されます。
しかし、無糖生地用のイーストを使うと、ショ糖を分解する力が弱いため、生地内に多く含まれていても分解→発酵の効率は進まず、通常どおりの速度で発酵します。
つまり、無糖生地用のイーストを使っても特にデメリットはありませんが、加糖生地用のイーストを使うとスピーディーに発酵を進めることができるメリットがあります。
砂糖を含まないハード系のパンに、無糖生地用のイーストを使うと、麦芽糖を分解し発酵を進めます。そして、この発酵により副産物が生まれ、パン生地の風味がよくなります。
しかし、加糖生地用のイーストを使うと、発酵力が十分ではないため、失敗の原因になります。
Q.セミドライイーストとは?
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Q.赤サフと青サフ、金サフの使い分けは?
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Q.ドライイーストの予備発酵がうまくいかない
Q.自家製酵母のオリとは?
Q.酵母づくりに使用したレーズンや林檎は食べられる?
おすすめのパン酵母
cottaでおすすめのパン酵母をご紹介します。
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