シンガポールがERPシステムを更新 21年後半から開始

シンガポールの陸上交通庁(Land Transport Authority:LTA)は8日、道路料金を徴収するERP(Electronic Road Pricing)システムを、現行のものから次世代のものへと切り替えていくことを発表した。置換は21年後半から18カ月かけて行われる。

シンガポールでは交通渋滞を避けるために、交通量によって課金が行われるERPシステムを1998年導入した。しかし導入から20年が経過しており、インフラとしての寿命が近づいている。そこで今回、交通情報などの付加価値サービスを組み込んだ新しいERPシステムへと置き換えることが決まった。

新しいERPシステムでは、従来の車載ユニット(in-vehicle unit; IU)を新しいユニット(on-board unit; OBU)に置き換える。OBUでは課金場所や課金額の他に、リアルタイムで更新される道路交通情報、近くにあるスクールゾーンとシルバーゾーンの場所といった情報を提供する。

OBUには、ERP課金額や駐車場など既存のシステムと互換性がある。運転手は、シンガポールの交通機関で利用できるCEPASカード、NETS FlashPay、EZ-Linkカード、あるいはクレジットカード、デビットカードを使って支払いができる。

新しいERPシステムには、走行や入金といったデータが収められている。そのため不正アクセスやデータの不適切な使用が懸念される。こういった悪用を防ぐために、これらの情報は、強力なセキュリティと公共サービス(ガバナンス)法に基づいた罰則を含む、厳格な保護手段が導入されている。

なおIUからOBUの置換も、新型コロナウイルスの影響を受けている。スムーズに移行するために自動車業界とドライバーには十分な通知を行うと、陸上交通庁は述べている。

(出典:シンガポールの陸上交通庁のWebサイトより)

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