合流新党代表に枝野氏 期待感示す関係者 市民から冷ややかな声も

 立憲民主党と国民民主党などが結成する合流新党の代表に枝野幸男氏が選ばれた10日、長崎県内の野党関係者は期待感を示す一方、市民からは「関心は薄い」などと冷ややかな声も聞かれた。
 所属議員全員が新党に参加する立憲民主党県連の山田勝彦代表は「(代表選後のあいさつで)枝野代表は次期衆院選で政権の選択肢になると力強く話していた」と期待感をにじませ、「どんな社会を目指していくのか、しっかり伝えていきたい」と決意新た。立民、国民両党を支援してきた連合長崎の宮崎辰弥会長は「自民党に対抗できる大きな塊をつくるという意味で新党ができたことは歓迎する。働く人や困っている人の気持ちをくみ取った政治を期待している」と述べた。
 共産党県委員会の山下満昭委員長は「立憲民主党とは共闘し実績を積み上げてきた」と強調。「自公政権を倒すため、野党共闘態勢をしっかり継続して」と求めた。一方、自民党県連の外間雅広幹事長は「特にコメントはない」としながらも「(対抗馬の)泉健太氏の方が国民にも新鮮に映ったのでは」と淡々と述べた。
 市民の反応はさまざま。長崎市の大学生、笹岡春花さん(19)は自民党総裁選に注目しているとして「正直あまり興味がなかった。与党に対し、国政をよくするような批判的な議論ができるとは期待していない」とばっさり。佐世保市高梨町の自営業、豊村明希子さん(41)は旧民主党政権時代を引き合いに「あの時は守れない公約もあった。まだ期待は持てず、誰がトップになっても関心は薄い」と手厳しい。
 東彼東彼杵町の農業、富岡明さん(73)は「枝野氏の方が顔も売れているので妥当だと思う。せっかく野党勢力がまとまったので期待するが、県内の(立民、国民両党の)議員がまとまれなかったのは残念。野党としてまとまり、政権と対峙(たいじ)してほしい」と主張。
 五島市大荒町の無職、坪内信道さん(63)は「日本は格差がとても大きくなっている。今回の新党を選挙のための数合わせにせず、末端の困っている人に優しい政治を進めるきっかけにして」と注文をつけた。


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