楽天・渡辺直人、引退決断は「若い選手の成功が嬉しくなった」引退会見一問一答

今季限りでの現役引退を発表した楽天・渡辺直人(中央)が記者会見に臨んだ

この時期の発表は「最後、自分がプレーしてる姿を目に焼き付けてほしい」

今季限りでの現役引退を発表した楽天の渡辺直人内野手兼打撃コーチが13日、本拠地・楽天生命パークで記者会見を行った。会見での主な一問一答は以下の通り。

――引退を決めた理由と時期は?
「シーズン半分くらいすぎて、自分の出場機会が無くなった。それが一番の決め手です。コーチ兼任ということで、今まで自分が上手くなりたい、試合に出て活躍したいと強く思っていたのが、若い選手、試合に出てる選手の成功がものすごく嬉しく感じるようになって。若手の成長を手伝えてること、必死な顔を見てることにすごく幸せな気持ちになってきて。これはやっぱり選手としては違うのかなと思い決断しました」

――誰かに相談?
「引退することに関しては誰にも相談せずに自分で決めました。今週の火曜日にGMにお話させてもらって、(家族には)その前日に言いました。(家族からは)お疲れ様です、と」

――なぜこのタイミングで発表?
「今、このコロナの状況でなかなか球場に足を運びたくても運べない今まで応援してくれたファンの方、知人、友人に、最後、自分がプレーしてる姿を目に焼き付けてほしいという思いで、この時期に引退発表することになりました」

仙台のファンに“感謝”の涙「声援に応えたい。他球団でも思いは変わらなかった」

――最後の球団が入団した楽天だった
「楽天に入団して色んなことがあって、最後にまた楽天のユニホームを着て引退するのは自分の夢だったので、幸せだなと思います」

――なぜ夢だった?
「今の自分があるのは、入団して若い時に色んな経験をさせていただいたから。その思いは忘れないです。いつか恩返ししたいって思いはずっと持ってたので、楽天で引退できて良かったです」

――今シーズン、楽天のユニホームを着てグラウンドでプレーできたら?
「楽天にいたときもそうですし、他球団に移ってからも仙台でプレーするときは多くの声援をいただいて。その声援に助けられて、その声援に応えたい。楽天のユニホームを着てても、他球団のユニホームを着てても、その思いは変わらなかったですし、ファンの声援に勇気を与えていただきました」

――今流されている涙は?
「感謝です」

――心に残るシーン、思い出は?
「いっぱいありますけど、2009年のクライマックスシリーズに出れたこと。それが本当に良い思い出ですね。やればできることを勉強できた年だったと思います。何より、負ける悔しさはいっぱい経験しましたけど、勝つ喜びは初めて知ることができた瞬間だったと思うので、良い思い出です」

松坂世代は「ファンみたいな感じ。一緒に野球ができたことは楽しかった」

――松坂世代はどういう存在?
「いい時はみんないい顔できますけど、ダメになったときに歯を食いしばれるか、上を向けるかって、そこが人間として一番大事なところですけど、僕たちの世代はしっかりそれができてきた本当のプロの集まりだったなと思って、尊敬してます。そういう同年代と一緒に野球ができたことは本当に誇りです」

――その世代で自分はどうありたいと思ってやってきた?
「僕は入団も社会人からで遅かったですし、どっちかというと世代のファンみたいな感じですかね。それがみんなが大活躍してる中で遅れてプロに入って、一緒に野球ができたことは楽しかったですね」

――同世代で現役を続ける選手に伝えたいことは?
「ボロボロになるまで頑張ってほしい、自分が納得するまで野球を続けてほしいです」

――引退後の夢は?
「正直、将来のことはあまり考えてなくて。いつも目の前で起こってることをどう解決していくか、どう対処していくかしか考えてないので、それの延長線上に何があるかは、この先わからないですけど、今はチームが優勝すること、そこに自分が必要なピースになりたいなということしか考えられないですね」(Full-Count編集部)

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