〔梅雨〕今年の梅雨の時期確定 東北北部は2017年以来の「梅雨明け特定できず」 7月は豪雨被害大きく(9/13)

気象庁は9月1日、今年の梅雨入り・梅雨明けの確定値および梅雨の時期の特徴のまとめを発表しました。
梅雨入りは、全国的に平年より遅いところが多くなりました。梅雨明けは、沖縄地方でかなり早かった一方、その他の地方では平年より遅く、奄美地方から東海地方にかけてはかなり遅く、特に奄美地方では1951年(昭和26年)の統計開始以降最も遅くなりました。
さらに、東北北部では梅雨明けの時期を特定できませんでした。東北北部で梅雨明けが特定できなかったのは2017年(平成29年)以来となります。
今年の梅雨の期間のうち、特に7月は、本州付近に停滞する梅雨前線の活動がたびたび活発となり、広い範囲で大雨となりました。気象庁は、この7月の一連の大雨について「令和2年7月豪雨」と命名しています。

■梅雨入り・梅雨明けの時期〔気象庁〕
【各地の梅雨入り時期】
      2019年  平年   2020年(速報) 2020年(確定)
沖縄    05/16頃 05/09頃   05/11頃  05/16頃
奄美    05/14頃 05/11頃   05/10頃  05/17頃
九州南部  05/31頃 05/31頃   05/30頃  05/30頃
九州北部  06/26頃 06/05頃   06/11頃  06/11頃
四国    06/26頃 06/05頃   05/31頃  06/10頃
中国    06/26頃 06/07頃   06/10頃  06/10頃
近畿    06/27頃 06/07頃   06/10頃  06/10頃
東海    06/07頃 06/08頃   06/10頃  06/10頃
関東甲信  06/07頃 06/08頃   06/11頃  06/11頃
北陸    06/07頃 06/12頃   06/11頃  06/11頃
東北南部  06/07頃 06/12頃   06/11頃  06/11頃
東北北部  06/15頃 06/14頃   06/14頃  06/25頃

【各地の梅雨明け時期】
      2019年  平年  2020年(速報) 2020年(確定)
沖縄    07/10頃 06/23頃  06/12頃   06/12頃
奄美    07/13頃 06/29頃  07/20頃   07/20頃≪観測史上最も遅い≫
九州南部  07/24頃 07/14頃  07/28頃   07/28頃
九州北部  07/25頃 07/19頃  07/30頃   07/30頃
四国    07/25頃 07/18頃  07/30頃   07/29頃
中国    07/25頃 07/21頃  07/30頃   07/31頃
近畿    07/24頃 07/21頃  07/31頃   08/01頃
東海    07/24頃 07/21頃  08/01頃   08/01頃
関東甲信  07/24頃 07/21頃  08/01頃   08/01頃
北陸    07/24頃 07/24頃  08/02頃   08/01頃
東北南部  07/25頃 07/25頃  08/02頃   08/02頃
東北北部  07/31頃 07/28頃 特定できない 特定できない

※梅雨は季節現象であり、その入り明けは、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。

【梅雨明けが特定できなかった年・地域】
・1993年(平成5年):九州南部、九州北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信、北陸、東北南部、東北北部
・1998年(平成10年):北陸、東北南部、東北北部
・2001年(平成13年):東北北部
・2003年(平成15年):東北南部、東北北部
・2009年(平成21年):中国、北陸、東北南部、東北北部
・2017年(平成29年):東北南部、東北北部
・2020年(令和2年):東北北部

■令和2年7月豪雨について〔気象庁・内閣府資料などからまとめ〕
7月3日から31日にかけて、日本付近に梅雨前線が停滞し、暖かく湿った空気が継続して流れ込んだ影響で、西日本から東北地方の広い範囲で大雨となった。
期間降水量は、長野県王滝村で2135mm、高知県馬路村で2032mmなどを観測し、九州、東海、東北地方の多くの地点で24時間、48時間、72時間降水量の観測史上1位の記録を更新した。
これにより各地で被害が発生し、全国で83人が死亡、3人が行方不明、29人が負傷し、9420軒が浸水するなどの家屋被害が発生した。また、各地で大河川での氾濫も相次いだ。

このうち、3日から8日にかけては、梅雨前線に沿って線状降水帯の形成・発達がみられ、西日本・東日本の広い範囲で大雨となった。
九州では、4日から7日にかけて記録的な大雨となった。4日は熊本県、鹿児島県に大雨特別警報が発表され、熊本県の球磨川が複数箇所で氾濫、流域やその周辺で大規模な土砂災害・浸水害が相次いだ。6日から7日にかけては福岡県、佐賀県、長崎県に大雨特別警報が発表され、福岡県の彦山川、大分県の筑後川上中流部と大分川で氾濫した。大分県内で避難中に増水・氾濫した河川に巻き込まれる人が相次いだほか、福岡県大牟田市や久留米市などでは住宅地が広範囲で浸水した。また、7日から8日にかけては、東海・甲信地方でも大雨となり、岐阜県と長野県に大雨特別警報が発表、岐阜県の飛騨川が氾濫した。
その後も梅雨前線は本州付近に停滞し、13日から14日にかけては中国地方を中心に大雨となり、江の川が島根県内で氾濫、26日から29日にかけては東北地方を中心に大雨となり、山形県の最上川で氾濫が発生、広い範囲が浸水した。

© 株式会社レスキューナウ