F1トスカーナGP:リスタート時の多重クラッシュについて審議の後、12人のドライバーに警告

 2020年F1第9戦トスカーナGP決勝において、セーフティカー後のリスタート時、メインストレートで多重クラッシュが起きた。これについてFIAは12人のドライバーに警告を与えた。

 1周目、ターン2でアクシデントが発生したことを受け、セーフティカーが出動。その後のリスタート時に、複数のマシンが絡むクラッシュが発生し、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)がリタイアした。この事故により、レースは赤旗中断となった。

2020年F1第9戦トスカーナGP サインツJr.とマグヌッセンの前方でアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)もストップ

 この事故はスチュワードの審議対象となり、レース後、マグヌッセン、ラティフィ、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)、チーム代表たちが事情聴取を受けた。スチュワードは調査の結果、以下の12人のドライバーに対し、警告を与えた。

ケビン・マグヌッセン(ハース)
ダニール・クビアト(アルファタウリ)
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)
アレクサンダー・アルボン(レッドブル)
ランス・ストロール(レーシングポイント)
ダニエル・リカルド(ルノー)
セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
ランド・ノリス(マクラーレン)
エステバン・オコン(ルノー)
ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)
アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
カルロス・サインツJr.(マクラーレン)

 スチュワードは、インシデントの原因は、最終コーナーからピットストレートにかけてドライバーたちのスロットルやブレーキの使い方に一貫性がなかったことであるという結論に達した。スチュワードによると、ムジェロ・サーキットのコントロールラインの位置に関する問題点、ドライバーたちがリスタートで前に出ようとするものであることは理解しており、誰かひとりのドライバーにすべてあるいは大部分の責任があるわけではないものの、リスタートの際には注意が必要であるとして、警告を発することに決めたということだ。

 また、リスタート時に先頭を走っていたバルテリ・ボッタス(メルセデス)の走り方に問題はなかったのかという点に関し、スチュワードは、先頭のボッタスにはペースをコントロールする権利がレギュレーションによって与えられており、規則違反を犯してはいないと明言している。

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