【新型コロナ】観光・文化施設の再起、動画で支えます 横浜の印刷社、SNSでも展開

「Wait for the Light #『ありがとう』でつながる未来」の画面を見せる野毛印刷社の加嶋さん(中央)と田中さん(左)、本橋さん=横浜市南区

 新型コロナウイルスで打撃を受けた県内の観光・文化施設関係者の声を集めた動画プロジェクトに、野毛印刷社(横浜市中区)が取り組んでいる。これまでに三渓園、帆船日本丸などを取り上げ、見た人から施設の思い出を会員制交流サイト(SNS)で公募。施設と利用者をつなぐため、寄せられたコメントは各施設内で展示してもらう予定だ。

 「Wait for the Light #『ありがとう』でつながる未来」と名付けた企画は、同社で営業を務める田中利樹さん(34)が担当。新型コロナウイルスの影響で、休業した取引先が懸命に再開準備を続ける姿に感銘を受け、「僕らが街を盛り上げることができれば」と発案した。

 商品プロモーション用の動画などコンテンツ制作も手掛ける同社のノウハウを生かし、動画は約3分ほどの長さで編集。各施設の担当者が休業中の様子を振り返り、「皆さんが来たいという気持ちをこらえてくださったからこそ、再開できる」などと語っている。

 10日に公開した最新の「横浜中華街編」では、横浜中華街発展会協同組合の高橋伸昌理事長が登場。風評被害で客足が10分の1以下に減ったことを振り返り、「絶望を感じたが、SNSで全国から応援が寄せられたことが励みになった」と感謝。集まった思いに応えるため、友好の象徴である「善隣門」に「みんな ありがとう #がんばれ中華街」と記した横断幕を掲げたことを話している。

 プロデューサーの加嶋雅彦さん(34)は「編集中、熱い思いに何度も涙が出た。文化を守っていくという気概を感じてほしい」と説明。企画への賛同者を募ってツイッター投稿する計画も進めており、集まった思いは各施設で公開していく。広報を務める本橋彩子さん(28)は「皆さんの言葉が思いが、輪のようにつながっていけば」と願っている。問い合わせは同社電話045(252)2515。

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