インフラ側からバスの安全支援 みちのりHDら、自動運転も見すえ検証

みちのりホールディングス、会津バス、コイト電工は、福島県会津若松市で6月1日から6月7日までの間、バス運転士を対象に「バス出庫安全支援システム」の実証実験を実施。その検証結果を発表した。

同システムは、会津バスターミナルのバス出庫口に設置したセンサによって、運転士から見えにくい接近する歩行者・自転車を検知し、バス運転士への注意喚起表示を行うもの。実証実験を通じ、歩行者の検知精度や表示タイミング、表示方法等の検証を行った結果、有効性が確認されたという。

センサシステムの図解

【歩行者検知から表示点灯まで】

(1)指定エリア内で常時、歩行者を検知

(2)検知結果を注意喚起表示装置へ通知

(3)歩行者の接近方向に応じて表示点灯

(4)一定時間後に表示を消灯

今回検証した「バス出庫安全支援システム」について、将来的には自動運転バスの安全性に貢献するものとして期待が掛かる。3社の発表によると、具体的には車載センサの死角から接近する歩行者等との衝突防止、急ブレーキによる車内転倒事故防止などへの貢献を見据えている。

現在、バスの自動運転に向けては、各種の車載センサによるものが検討・実験されている。しかし、車載センサには死角エリアがあり、人や自転車の急な飛び出しなどには対応が困難だ。そのため今回の実証では、車載センサだけでなく、道路インフラ側から歩行者等をセンシングし、携帯電話回線網等を通じて、車両側に情報伝達するシステムを検証した。

3社の発表によると、センサの検知精度は設定したエリア内で歩行者の検知漏れがなく、バス運転士へのアンケートでも、システムの有効性を確認できたとしている。

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