金沢のヒップホップクルー「addginjahzz」のJony the sonataにインタビュー!

地元のミュージシャンにアレコレ聞いちゃうシリーズ企画。今回のゲストは金沢を拠点に活動するヒップホップクルー「addginjahzz」のJony the sonataさん。

ラップを始めたきっかけから、リリックの書き方、MCバトルへの想い、そしてプライベートのことまで、いろいろとお話を聞いてみました。

MCバトルの全国大会にも出場

ーーよろしくお願いします!早速ですが、いつ頃からラップを始めたんですか?

Jony the sonata:19っすね。中学の頃からヒップホップが好きで、DJがやりたくてターンテーブルを買ったんですけど、自分には全然ハマらなくて。それから地元の先輩がライブをするからって見に行ったら、それがめちゃくちゃカッコ良くて。ラップをやり始めたのはそれからですね。

ーー「addginjahzz」を結成したのはいつですか?

Jony the sonata:2014年です。メンバーのmilkyheadoneとは昔からの知り合いで、よく遊んでたんですよ。で、ちょうどその頃にお互いのクルーが解散して、自分の家にも録音環境が整ったので「一緒に曲でも作ろうか」って。そこにビートメイカーのDJ KENTAROUも加わった感じです。

Jony the sonataさん。金沢のラップシーンを語る上で欠かせない存在だ(撮影協力:オリバー)

ーー曲を作るとき、とくにリリックを書くときはどんなことを心がけていますか?

Jony the sonata:瞬発力を意識してますね。そのとき感じたことを表現するというか。リリックも録音する当日や前日に書くことが多いです。

ーーリリックの内容についてはどうですか?

Jony the sonata:メッセージも大事だけど、ビートへのアプローチとか自分らしいノリを大切にしてます。ビートにも感情があるし、その雰囲気によっても言いたいことは変わってくるので。

ーー瞬発力といえば、フリースタイルやMCバトルの大会にも出場してますよね?

Jony the sonata:そうですね。ただ、バトルで名前を売りたいとかはなくて、ラップをするのが楽しくて参加してた感じなんですよ。フリースタイルはパーティーみたいな面白さがあって、色んな人たちを巻き込んで遊べるのがいいっすね。でも、そろそろバトルは卒業かなって思ってます。

MCバトルイベントの最高峰として知られる「UMB」など、これまで数々の大会に出場してきた。

レペゼンという意識はないかも

ーーなぜ、金沢を拠点に活動しているんですか?

Jony the sonata:正直、金沢レペゼンという意識はあまりなくて、生まれ育った街で生活をしながら、ラップをしてるだけなんですよ。ただシンプルにラップをしたり曲を作るという行為がめちゃくちゃ面白い。その感覚は「addginjahzz」を結成してからずっと変わらないですね。

ーーローカルから発信することのメリットやデメリットを感じたことはありますか?

Jony the sonata:ほかの街にないものを表現の手段として使えることですかね。言葉遣いとか文化とか。もしかするとそれが自分たちの個性になっているのかも。デメリットは感じたことないですね。ネットを使えばいくらでも配信できるので。

アルバムをリリースする前から「Bandcamp」で数々の楽曲を配信し、その活動が業界内でも注目されていた。

ーー昨年末にリリースした1stアルバム「SALADBOWL」についても聞かせてください。

Jony the sonata:このアルバムに収録されている曲のすべてに色の名前が入っていて、いろんな彩りの曲をひとつの器にぶち込んだという意味でサラダボウルというタイトルをつけました。友人でもある福井のビートメイカー「DRS」のトラックも最高なので、ぜひ聴いてください!

ーーコロナの影響でライブが中止、延期になっているかと思います。現状はいかがですか?

Jony the sonata:アルバムリリース後に決まっていたライブが中止になったのは残念でした。でも、悔やんでいても仕方ないので「aftermeals」というコロナをコンセプトにしたEPをリリースしたり、できることをやってるつもりです。今も新しいアルバムを作り始めているとこっす!

addginjahzzのデビュー作となった「SALADBOWL」。iTunesでも配信中。
Sonataさんが愛用するマイク。左がライブ用、右が録音用のコンデンサーマイクだそう。

仕事もラップも生活の一部

ーー普段はどんな仕事をされているんですか?

Jony the sonata:製造系の会社に勤めてて、船のエンジンとかを作ってます。もう8年くらいになるかなぁ。仕事中にリリックを思いついたりすることもあるし、この仕事もラップも生活の一部というか、直結するものだと思ってます。

ーー地元でよく出没する場所は?

Jony the sonata:お風呂が好きなのでそのへんの銭湯によく出没します(笑)。一番行くのは「銭がめ温泉」。源泉掛け流しで、のんびりした雰囲気も最高。メシは家の近くにある「焼肉たかちゃん」。安くて旨いんっすよ。

最近、柴犬を飼い始めたというsonataさん。可愛くて仕方ないんだとか。
ーー最後にsonataさんの「これから」を教えてください。

Jony the sonata:とりあえず曲はこれからもずっと作り続けていきたいです。あと、金沢をレペゼンするつもりはないと言ったけど、自分たちの活動がきっかけで金沢という街が注目されたら、それはそれでうれしいかなとも思ったり。もちろんそれを目的にラップをするわけじゃないけど、それくらいの存在になれたら本望というか。理想ですよね。

addginjahzzのライブ・リリース情報はTwitter(@JONY_THE_SONATA)をチェック!

サムネイル撮影協力:パペロ

(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

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