長崎らしい朝を 「出島ワーフde朝活」プロジェクト ホテルと飲食店が連携

長崎港に面したオープンテラスで朝食を味わう参加者=長崎市、出島ワーフ

 長崎国際観光コンベンション協会が、長崎に泊まって長崎らしい朝を楽しんでもらおうと「出島ワーフde朝活」プロジェクトを立ち上げた。第1弾は、長崎港に面した出島ワーフで地元食材を使った朝食を味わうプラン。まち歩き観光「さるく」を組み合わせることもでき、長崎観光の新たな形として定着を目指す。
 同協会のDMO(観光まちづくり法人)推進局によると、以前から「長崎には朝食を食べられる店が少ない」という声があった。加えて、新型コロナウイルス禍で来県者が減り、ホテル、飲食業、食材の生産者らが苦戦。長崎らしさを味わえる朝食を充実させることで宿泊客を増やし、各事業者を支援しようと準備を進めてきた。
 今回は、出島ワーフにある「アティックコーヒーアンドダイニング」が場所と、サンドイッチなどの洋食を提供。和食は「和食居酒屋旬彩ながや」(万屋町)が鮮魚のだし茶漬けなどを準備し、アティック内で仕上げて出す。メニューは和、洋食2種類ずつで、食材は県内産にこだわった。
 長崎ホテルマリンワールド(籠町)、ホテルベルビュー長崎出島(江戸町)、ビジネスホテルニューポート(元船町)の宿泊と組み合わせ、1泊朝食付きのプランで7500~8500円。朝食前後に、長崎さるくガイドの案内で出島ワーフ周辺を散策する「朝さるく」付きは1万円前後。予約制で、10月2日から来年3月27日まで金、土曜、祝前日限定で利用できる。
 参加する事業者は効果に期待を寄せる。ホテルベルビュー長崎出島は、コロナの影響で今はバイキング形式の朝食を取りやめ、弁当で対応中。山本香支配人は「地域の他業種と連携して充実した朝食を提供できるのはいいこと」と歓迎。アティックの野田信治代表取締役は「長崎の朝を楽しむきっかけになれば観光客も戻ってくるのでは」と話している。
 13日は田上富久市長や報道陣を招いてモニターツアーがあった。参加者は午前7時半に長崎ホテルマリンワールドを出て、約1時間かけて唐人屋敷跡などを巡る「朝さるく」を楽しみながら出島ワーフへ移動。オープンテラスで潮風を受けながら朝食を味わった。
 豊饒英之DMO推進局長は「長崎の朝を楽しめる取り組みがあれば宿泊も増えると思う。県民のみなさんにも利用してもらい、ゆったりと休日の朝を過ごしてほしい」と話した。

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